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画家・ToshIを挫折から救った、野生爆弾 くっきー!の珠玉過ぎるアドバイスとは?




 



ネット版の『ザ テレビジョン』によると、現在は『X JAPAN』のメンバーなんだか私にはよくわからない大物ミュージシャンのToshI(※ちなみに、この手の大文字と小文字がランダムに入り混じったアルファベット表記の名前は、いちいち変換が面倒くさくて、けっこうライター泣かせだったりする)が、11月19日放送のトークバラエティ番組『華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!』(フジテレビ系)に“テッパンゲスト”として出演。最近ハマっており、一日15時間以上も費やしているという絵画について語った……らしい。



 



自身の個展では「自分の音楽を突き詰めていって。深いところにある思いをつかまえて、色として形としてしたためてみました」と説明。番組内では「作詞作曲した歌のイメージを描くミュージシャンならではの、おそらく世界初の試み」などとも紹介されていた……のだそう。



 



ToshIといえば、私が大好きなエピソードの一つに「紅白歌合戦車椅子事件」がある。かの2016年の紅白で『紅』を熱唱したToshIはなんと!会場の入りも出もすべて車椅子で移動していたとのこと。その仰天理由は以下のとおり。



 




「病気などではなく、なんでも歌ですべてのエネルギーを使い切ってしまうため、入りでは無駄な体力を使わないよう温存し、帰るときは脱力しきっているので車椅子を使わざるを得ないのです」(音楽関係者/東スポより抜粋)




 



こんな何事にも常に歩けなくなるほどの全力投球で立ち向かうToshIも、いや、こんなToshIだからこそ、



 




「自分がちゃんと絵を習ったことがなかったもんですから、なんかちょっと挫折しかけていたというか…」




 



 ……と、“画家”としての限界にすごく悩んだ時期もあるという。そんな迷走状態に陥りつつあったToshIに“救いの手”を差しのべたのが、『Artexpo New York』(アートエキスポニューヨーク)に自身のアート作品を出展した経験を持ち、しかもそのなかの5作品が約1100万円で売れたという、お笑いコンビ『野生爆弾』のくっきー!であった。



 





「習ってないなんて最高ですやん!」



 



この珠玉の金言にToshIは、いたく感動。「あ、そっか、逆に習ってないことが強みなのかもしれない」と開眼し、「本当にくっきー!さんには感謝しています」と、真剣な表情でトーク中に語っていた……んだとか。



 



ここまでは「〜らしい」やら「〜なのだそう」やら「〜という」やら「〜だとか」やら……と、伝聞調の言い回しを使ってこの原稿を書いてきたのだけれど、じつのところ、私はこの番組を偶然観ており、ToshI画伯のタブローもいくつかはすでにチェック済みだったりする。正直、個人的にはあまり好みの作風ではなく、感動の域にまではいたらなかったものの、只者じゃない感だけはヒシヒシと伝わってきた。



 



創作活動とは、大ざっぱには「美術」「音楽」「文学」の3つに分類されるが、一イラストレーターの立場から述べさせていただくと、たしかに「習っていないことが“最高”へともっとも転じやすい」のが「美術」、絵画の分野であることは、おそらく間違いない(※「文学」も、とりあえずはアイウエオレベルの学習を経なければ書くことはできない)。



 



かくなる私も最終学歴は大学の経済学部で、美術を体系的に学んだ過去はない。要は「キャンバスにぶつけたこの絵こそがオレの(アタシの)パッションだ!」と淀みなく断言できることこそが重要なのであり、その評価はその作者のバックボーンや知名度……ほか、さまざまな“観る側”の主観的要素が複雑に絡み合い、後からついてくるものなのではなかろうか。つまり、私が抱いた「只者じゃない感だけはヒシヒシと伝わってきた」なる印象も、一皮剥けば怪しさこの上ない……ということだ?


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