
■もっと難しくいえば「自我防衛機制」って表現もあるらしいです……
いきなりですけど、誰だって自分の失敗を認めるのは怖いですよね……。
例えば、学生時代のことを思い出してみてください。大事なテストの前夜だというのに、勉強そっちのけで部屋の掃除を始めてしまったり、教科書の代わりにマンガを読んでしまったり、問題集ではなくゲームを攻略してしまったりした経験はないでしょうか?
このような行動を、心理学では“獲得的セルフハンディキャッピング”と呼ぶのだとか。自分自身にハンディキャップを課す、という意味ですね。
先ほどのテストの例ですと、もし本番で大コケしてしまっても「昨日ろくに勉強できなかったんだから当然だよな……」と言い訳できるでしょう。つまり、不利なシチュエーションを自分で作り出すことによって、プライドが傷つくのを回避しているのです。
一方、仮にテストが上手く行ったら「あれ、ノー勉でここまで点が取れるなんて、もしやオレって天才!?」と自分を褒められますし、セルフハンディキャッピングは、あながち悪いことでもない……?(笑)
また、“獲得的”とは別に、“主張的セルフハンディキャッピング”という言葉もあるんですよ。具体的にはテスト当日に「マジ勉強してないわ(笑)」「なんか昨日から風邪っぽくて、テストどころじゃないんだけど……」などと、まわりのクラスメイトに“主張”するような言動を指します。
事前にこうしておけば、テスト結果が本当にダメダメでも「アイツ、勉強してないって言ってたもんな」「なんか具合悪そうだったもんな」といった感じでみんな納得してくれ、自分の評価は落ちなくて済むというわけですね。
いや、もちろん「ちゃんと勉強しろよ」「しっかり体調管理しろよ」というツッコミだって入るでしょうし(笑)、セルフハンディキャッピングに頼りすぎていると、成長への道が閉ざされてしまいかねません。前もって「今回のテスト対策はカンペキです!」とアピールしておき、有言実行で満点を取ってみせるのが一番クールなのではないでしょうか。
……なんて偉そうに書いていますが、筆者も学生時代はセルフハンディキャッピング常習犯だったので、あまり真に受けないでください(この一文こそがセルフハンディキャッピング?)。
【関連書籍】誰にも覚えがあるヘンな感覚の正体(KAWADE夢文庫)
