先日、カフェでお茶していたときのこと。アラフィフとおぼしき男子ふたりが、隣席で何かに見入っていました。
そっと目をやると、どうやら美容皮膚科のパンフレットで、「イントラジェンっていうのやりたいけど、8万円か~」とか、「ヒアルロン酸のほうがよくね?」とかささやきあっています。
さらに聞き耳を立てると、「片方の妻が夫に美容治療を勧め、行きつけの皮膚科を紹介したこと」、「ひとりではこわいので友人を誘ったこと」などがわかりました。
「こわいけど、若返るならなぁ……」
そう言って顔を上げた男性と目が合ったのですが、その瞳は完全に乙女のソレで、なんだか親しみをおぼえてしまった私です。
キレイになりたい――。
それは女性ならではの願いとされがちですが、どっこい、男性だって気持ちは同じ。特に、いよいよ“老い”がターボをかけてくるアラフィフともなると、ここで抗するか白旗を揚げるかで、その後のルックスはかなり変わってきそうです。
果たして、“美肌治療に臨むアラフィフ男子”ってどんな感じなのでしょう? 皮膚科医師に、訊いてみました。
■妻に連れられて、美容皮膚科へ
――アラフィフ男子が美肌治療を始めるきっかけは…?
「やはり、奥様や彼女に勧められてというケースは多いですね。ご主人が鏡を見てクヨクヨしていると、“あなたも皮膚科に行ったら?”と、さっさと予約を入れてしまったり。また、皮膚科に通ってニキビ跡がキレイになったなど“成功体験”がある方は、比較的ハードルが低いかもしれません」
――友達と連れだって来る人も多いのでしょうか?
「最初は奥様に連れてこられて、次は友達を案内する方もいますし、ひとりで美容系の施設に来るのはこわいから、まずは友人とふたりで……という方もいます」
――意外にシャイなんですね。では、どんな治療が人気ですか?
「とっかかりは“たるみ治療”ですかね。目の下がダルン! としたり、頬がゆるんでたれてきたり。上まぶたが下がってきて眠そうな顔になってしまったとか、そのあたりをなんとかしたい、という方が多いです」
■2番人気の治療は、意外なアレ!
――そこは女子も同じですよね。では次は? シミですかね?
「いえ! 次に人気の治療は、女子と大きく違います。男性の場合、2番人気は“薄毛治療”なんですよ」
――えっ、意外! 皮膚科で薄毛治療ができるんですか?
「はい。頭皮にレーザーを照射して、休止期段階にある毛を成長期段階にする治療などが受けられます。やはり、植毛やカツラを採り入れる前に、自力で髪を増やしたいと思われ男性が多いようです」
――“レーザーで脱毛”は常識ですが、“皮膚科で、レーザーで育毛”は盲点でした。
「3番目に人気なのはシミ取りですが、これをがんばる方にはある共通点があります」
■シミ取りをするアラフィフ男子の共通点は!?
――えっ、なんでしょう?
「ズバリ“若い彼女がいる”です。“彼女”が恋人なのか、奥様なのか、もっと違う関係の方かわかりませんが……。今現在、頬を寄せ合うような距離感の女性がいるアラフィフ男性は、シミ治療に熱心です。男性は女性と違ってメイクでシミを隠せませんから、キレイに見せるためには治療するしか! となるのでしょうね」
――そ、そうですか。ところで治療費って、お高いんでしょう?
「それはピンキリですね。シミ取りひとつなら1000円程度でできるものもありますし保険が使える場合もあります。あとは、ご本人の気持ちと予算次第です」
なるほど……。人生100年とすれば、50歳ではまだ半分。今後、恋のワンチャンがないとも言い切れませんし、男女とも美しいにこしたことはないですけれど……。
アラフィフ男子のみなさんは、美容、どこまでがんばりますか?