アメリカの病院で警備員の男性が約半年間、ほぼ毎日、「オナラをするときの自撮り動画」をInstagramに投稿していた。「笑っちゃう」と人気が出て多数のフォロワーがつき、まとめ動画がYouTubeに投稿されるまでになった。しかし、人気が出すぎて警備会社に発覚。その結果、なんと会社を解雇される羽目になってしまった。
警備会社は従業員が業務時間内に携帯電話を使うことを禁止していた。男性に関しては、注意に従わなかった点、貸与された制服で動画に映っていた点などが病院から問題視されたという。
仕事中にプライベートなSNS投稿をしたことがある人は、ドキッとしたのではないか。読者の皆さんが男性と同じ轍を踏まないためには、どうすればいいのだろうか。
■仕事中のSNS投稿は「NG」
ランチの写真、気軽な自撮り写真、移動中に見かけたものの写真を投稿する社会人は多い。しかし、そもそも、業務時間内のSNS投稿はアリなのだろうか 。結論から言うと、原則「ナシ」だ。
雇用されている労働者は業務時間中、労働に専念する義務を負っている。「職務専念義務」と言われるもので、勤務先の許可なく業務以外のことに時間を使うと、職務専念義務違反となる。つまり、業務と無関係のSNS投稿をすれば、懲戒処分を受ける可能性もあるのだ。
「(会社に)バレなきゃいいでしょ」と思う読者もいるだろう。しかし、バレるきっかけを特定するのは難しい。仮にバレても、数回程度なら見逃される可能性はあるが、何度も注意を受けるとおそらくクビになる。
SNSの利用が勤務規定で禁止されていない場合も、配慮は必要だ。特に写真や動画の投稿では、映り込みによってリリース前の情報が社外流出してしまう危険性もある。勤務先の信用を傷つけたり、守秘義務違反や個人情報漏洩を犯したりした場合、たとえ投稿回数が少なくても会社に問題視されることは覚えておきたい。
■停職中のFacebook投稿がバレて…
2014年、北海道の中学校に勤務する男性教諭が、勤務中の空き時間に私物のパソコンから繰り返しTwitter投稿していたことが問題視された。投稿内容に生徒の個人情報は含まれていなかったが、減給10分の1(2か月)の懲戒処分を受けている。
2016年には、岐阜県池田町役場の女性主事が停職中、カニの写真や「ママ友と海鮮ざんまい」といったコメントをFacebookに投稿。それを見た住民から「停職中なのに不謹慎」と批判が寄せられた。その後、女性主事は地方公務員法(信用失墜行為の禁止)違反に当たるとして、懲戒免職処分を受けた。
このように、勤務時間外でも投稿内容によってはクビになることもある。
■どうしても仕事中にSNSしたくなったら
既に述べたとおり、仕事中のSNS利用はおすすめできない。どうしても使いたければ、LINEなど非公開の場での個人的な連絡に留めておくのが無難だろう。
TwitterやInstagramの鍵付きアカウントも、第三者に画面キャプチャを撮られると、自分の知らないところで拡散される可能性がある。帰宅後に投稿する。身もふたもない結論かもしれないが、これが一番安全と言えよう。