NIKKEI STYLEによると、現在アラフィフに差しかかる、バブル期の大量採用時代に社会人デビューしたバブル入社組の評判が「すごぶる悪い」……らしい。
バブル入社組にありがちな特徴としては、
- コミュニケーション能力が高い
- 根拠なき自信がある
- 会社への依存度が高い
- 見栄を張りたがる
……が挙げられ、これら4つが複雑に絡み合って、「会議中、ご意見番気取り発言し、議論を混乱させるヒト(※1、2、4の複合型)」や「なにか頼まれても『それは私の管轄外だから』と断られ、定刻に必ず帰社し、周囲のヤル気を徐々に削いでいくヒト(※3のニヒリズム性突出型)」……とかが、どんどんと会社内に蔓延りつつあるのだという。
今年満56歳を迎える私は、正確には「バブル前夜組」であり、また、企業に所属しないフリーランスの身であるからして「関係ないや」とスルーすることだって可能ではあるものの、就職に関しては、豪華な食事や旅行で人事部から接待を受けた経験もある完全な売り手市場であったことに間違いはなく、いくらフリーランスとは言え、若いクライアントさんの前で前出のような傍若無人な態度を知らぬ間に振る舞って、陰で「ゴメスさんに仕事発注したら、いろいろ面倒臭いんだよね…」なんて噂されるのも嫌なので、自戒の意味も込め、今回はこの「バブル入社組への悪評」へと真摯な姿勢をもって、向き合ってみたい。
で、私同様にそんな“一抹の不安”を抱いたアラフィフの皆さんのために、同記事には“その度合い”を判定するチェックリストが記されており、けっこう数が多いので、興味のある方は前出の記事をクリックして、じっくりと自己診断してもらいたいのだけれど、たとえば、リスト内にある
- 年齢や性別を問わず、会話を続けることができる
- 多くの質問をして、相手に多く語らせることが得意である
- ユーモアを発揮して、人を笑わせることが多い
- 新たな役割や困難な役割を好む
- 物事のポジティブな面を見る傾向が強い
- 困難に直面しても、なんとかなると考えるほうである
- 十分に考えてから動くよりも、動きながら考えるほうである
……などは、バブル入社組の“短所”というよりは“長所”として捉えられる「類い希なる才能」だとしか私には思えない(※同記事の筆者である人事・組織コンサルタントの相原孝夫さんも「それらを悪いと言っているわけではない」とおっしゃっている)。
- より恵まれた条件でヘッドハントされても、今の会社に残ると思う
- 理不尽な決定であっても、組織の方針に沿って邁進することができる
……あたりですら、見方によっては“得がたい人材”との解釈もできなくはない。
結局のところ、バブル入社組を「ダメ」と断定するならば、その要因のほとんどは「見栄を張りたがる」の一点に集約されるのではなかろうか? したがって、ここで示されたチェックリストで、とくに注意を払うべきなのは、極論
- 自分と他人とを比べたがる
- 権力志向が強いほうである
- ブランド品が好きである
- 世間体を気にする傾向が強い
……の項目オンリーであり、「人は人、自分は自分」といった達観の境地にさえ辿り着くことができたら、もしかすると彼ら(彼女ら)は“最強の逸材”へともなりうる資質を秘めているのかもしれない。悔い改めてみる時間は、まだ少し残されているのだから……。