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高くても日本製が売れる? 中国で存在感を放つ「JAPANブランド」の実態


5月に上海で開催された中国美容博覧会(China Beauty Expo)


最近、仕事で毎月、上海を訪れています。上海は広州と並び化粧品関連企業が多い都市で、5月下旬には、ちょうど第23回中国美容博覧会(China Beauty Expo)も開催されていました。中国ブランドだけではなく、日本と韓国のブランドの存在感も高かったです。



 



上海のショッピング街を歩いてみると、確かにJAPANブランドによく遭遇するのですが、それは一様ではなく、いくつかのパターンがあります。今回、私自身も知見がある化粧品や日用品からそのパターンを紐解いてみます。



 



 



■日本産JAPANブランド vs 中国産JAPANブランド



 



中国のドラッグストアに並ぶ日本産メリーズ(左)と中国産メリーズ(右)


日本では中国人による買い占めもニュースになった花王のメリーズは、中国でもやはり人気があります。左に並ぶのは日本産メリーズ、右は中国産メリーズ。紙おむつはかさばる商品ですから、輸送コストを抑えるためにも、市場サイズが一定の規模になれば現地生産が基本です。



 



しかし日本からわざわざ輸入された日本産メリーズ(Sサイズ82枚入り 138元=2346円)は、中国産メリーズ(Sサイズ82枚入り 105元=1785円)の3割以上のプレミアム価格で売られています。製品の中身まで吟味できていませんが、メーカーが意図した結果というよりも、ユーザーのニーズによって日本産JAPANブランドが支持されているということでしょう。



 



化粧品の場合、JAPANブランドは日本産がほとんどで、資生堂が中国人のために作ったAUPRES(オプレ)は例外的存在でしょう。店頭では、多くの日本産商品には「日本进口(日本から輸入)」の表示があります。中国人の多くは読めないであろう「日本語(特にカタカナ)による表示」も記号化しています。



 



 



■Big in China JAPANブランド



 



「Big In Japan」とは“自国ではそれほど売れていないけど、日本では売れている洋楽ミュージシャン”(昔のQueenやJAPAN)を指す俗語ですが、「Big In China」を狙っていると思われるJAPANブランドも存在します。



 



多くの日本産JAPANブランドは日本でも広く行き渡り人気を確立していますが、一方で、Watson’s(中国のドラックストアチェーン)などに行くと、日本では売れ筋とはいえなそうなJAPANブランドの存在感もあります。





 



中国市場で存在感を放つHANAJIRUSHI(花印)はれっきとしたJAPANブランド


人口が多く、購買力が年々上がる中国市場に参入し、成功しようとする中小企業(中には中国資本も)を中心としたJAPANブランド・例えばHANAJIRUSHI(花印)は日本ではなかなか見かけませんが、Watson’sなどでは存在感があり、もともと中国市場をターゲットに開発された感もあります。そういう意味ではこちらは「Big in China」というよりも「Japan for China」なのかもしれません。



 



 



■ ジャパネスクJAPANブランド



 



よく言えば、「Designed by Japan」または「Inspired by Japan」、悪く言えば、「なんちゃってJapan」感があるブランドもまた多く見かけます。



 



なんちゃって戦略で売り上げを伸ばし続けるMINSO。店舗ロゴからはユニクロ感が…


 



MINISO(名創優品、メイソウ)は、2013年に1号店をオープンし、上海だけでなく中国全土、いや世界進出を果たし、毎月80~100のペースで2600店舗以上をオープンしたと公表しています。2017年度の売り上げも円に換算すると2000億円近くと、このなんちゃって戦略で急激な成長をしており、侮れません。ブランディングという観点では多くの禁じ手を行いながら、これらを買い求める顧客層が意外と多いという事実は認めざるを得ません。日本でも2014年、池袋にオープンし、現在5店舗あります。



 



上海の店舗ロゴからは「ユニクロ」感があふれています。「ダイソー」的なお手ごろ価格で、コンセプトは「無印良品」と、いいとこ取りともいえるし、なりふり構わずといった感もあります。以前は「100%日本品質・日本品牌(日本ブランド)」と謳っていたようですが、現在は「Japanese Designer Brand」と控えめになっています。



 



またサンリオ「シナモロール」のキャラクターをラインセンシングした中国限定の洗顔料を調べてみると、中国人向けなのにコピーはお決まりの日本語。会社は東京を所在地としており、日本でデザインされ、中国で作られています。



 



サンリオの人気キャラを起用した中国メーカー製の洗顔料。コピーはもちろん日本語


 



MINISOの成功を姑息にフォローするブランドも現れています。「ゆうやと(優宿優品)」「YUBISO(ユビソウ)」「エンドウ(豌豆生活)」や韓国版にアレンジした「희미성품(熙美誠品)」「한류패션(韩流尚品)」……これからの展開が楽しみです。



 



皆さんも中国でJAPANブランドを見つけたら、どのタイプなのかぜひチェックしてみてください。


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