藤本タツキ原作の漫画「チェンソーマン」は、累計発行部数1800万部を突破し、10月からアニメ化もされている超話題作。独特かつ退廃的な世界や一癖も二癖もある個性的な悪魔たちが魅力である本作。今回はそんなチェンソーマンの世界観を解説していこう。
■悪魔の出現が日常的となった世界
「チェンソーマン」は基本的に現代日本が舞台だが、「悪魔」という人知を超えた怪物が日常的に出現している。悪魔は人々を襲い、作中のニュース欄は悪魔による被害報告で埋め尽くされることも少なくない。
そのため、デビルハンターと呼ばれる悪魔を駆除する職業が、国や民間でれっきとした仕事になっているのだ。ちなみにチェンソーマンに変身することができる主人公・デンジは公安対魔特異4課所属のデビルハンターなので、一応公務員という扱いだ。
ちなみに時代設定に関しては、1997年としっかり明記されている。が、1991年に崩壊したソ連がいまだに存続していたり、当時流行っていたポケベルが描写されなかったりと現実世界とは符合していない。これは物語の軸に関わるネタバレになるので詳細は伏せるものの、現実世界とリンクしない理由についてはある悪魔による影響が大きいと考えられる。
■そもそも「悪魔」とは何か?
ではそもそも「悪魔」とはどんな存在なのか、ということも解説しよう。本作の悪魔は宗教上の悪魔とは異なる存在であり、どちらかといえば怪物の類に近い。「トマトの悪魔」「コウモリの悪魔」「未来の悪魔」といった動植物、概念などの名前を持っており、人間がその名前を恐れれば恐れるほど力が増すという。なお種族問わず血を補給することで肉体の回復や力の増強も可能となっているので、余計にたちが悪い。
たとえば、デンジたちの倒すべき目標である「銃の悪魔」は、わずか7分間で110万人も殺した絶大な力を持つ悪魔として描かれている。これは銃という普遍的に恐怖を抱かれているものだからこそ、その強さが増していると考察できるだろう。
基本的に悪魔たちは本能的に人間を嫌う習性があるものの、人間に近い容姿をする悪魔は友好的な場合が多い。特異4課に所属し、悪魔狩りを手伝うエンジェルやビームなどの悪魔は総じて人間に近いフォルムをしている。一方で、人間に憑依したり、死体に乗り移ったりして「魔人」へと変貌することもあるので、油断はできない存在であることはお忘れなく。また少数だが、デンジのように人間の姿をしているのに悪魔に変身できる者もいるようだ。
そして人間が悪魔たちとは契約することも可能。人間側は悪魔に臓器や寿命などの代償を支払う代わりに、身体能力強化や特殊能力付与などの対価を受けられるのだ。現にデビルハンターは悪魔と契約して戦っている者が大半である。
悪魔には悪魔で対抗すべし、という「目には目を歯には歯を」の姿勢で臨まないととてもじゃないが悪魔退治なんて務まらないということだろう。
■悪魔が生まれる地獄という空間
悪魔の概要について解説したところで、彼らの生まれる場所である「地獄」についても説明していきたい。悪魔の例にもれず、この地獄も宗教的な概念ではなく、単純に悪魔たちの生まれ故郷だと認識していいだろう。
「地獄」というとマグマがあふれ出し、火花が散る、世紀末的な空間を想像する方が多いかと思うが、地面には草木が生い茂り、生物も生息している環境なのでそこまでディストピア感はない。ただ上空には無数のドアが整列されているため、不気味な空間ではある。人間も生息可能ではあるようだが、無数にいる悪魔たちの事を考えると、気が気じゃないだろう。
実は悪魔は地獄で死ぬと、人間界へと姿を現し、仮に人間界で殺されても別個体・別人格として地獄で復活できるのだ。いわば、輪廻転生のようなものを繰り返しているわけである。
なお地獄には誕生してから一度も死んでいない超越者の悪魔も存在する。コミックス8巻に登場した「闇の悪魔」はその典型であり、その場にいるだけで格下の悪魔や魔人を恐怖させる絶対的な力のある悪魔として描かれていた。現にデンジやパワーは手も足も出なかったのだ。
今後、闇の悪魔並みの強力な悪魔が出てくるとしたら、地獄で一度も死を経験していない悪魔になるのかもしれない。
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