北イタリアのアルプスの麓にある小さな町、アジアーゴ。夏は避暑地、冬はウィンターアクティビティが盛んなエリアです。
アジアーゴチーズが有名なこともあり、チーズ工場とお店が併設された場所も多く、できたての新鮮なチーズが味わえることでも有名です。
何よりもアジアーゴ高原の魅惑的な風景が人々を惹きつけています。イタリア国内はもちろんのことドイツやオーストリアからの旅行者も多く訪問しています。
今回は、美しい高原の景色と美食が堪能できるアジアーゴについてご紹介します。
人々が魅力するヴェネト州アジアーゴとは
アジアーゴ市は、北イタリアにあるヴェネト州ヴィチェンツァ県に位置し、アルプス山脈の標高1,000mの高原にあります。ヴェローナ、ヴェネツィア空港からアクセスできます。
7つの町を意味する「デイ セッテ コミュニ」としても知られ、アジアーゴのほか6つの小さな町があります。このエリアでは一番人口が多く、約6,400人が生活しています。丘の中にあるアジアーゴは、第一次大戦後完全に再建され、現在は有名な観光地です。
北イタリアの夏は通常40℃まで上がり蒸し暑くなるため、夏間に過ごす別荘地としても親しまれています。冬には完全に雪で覆われた緑の森があり、イタリアのクロスカントリースキーの主要拠点の一つです。
平地から登る細い小道、広大な野原、高い鐘楼、そして背景に連なる山頂など壮大な高原の景色が楽しめます。夏も冬もくつろぎのひとときやスポーツを楽しみながら味覚を楽しませる、自然と歴史の融合した町です。
大自然に囲まれたノスタルジックな町並み
アジアーゴの町中にはカフェやレストラン、お土産ショップが並ぶメイン通りがあります。30分ほどで観光できる商店街からは、緑の美しい山も堪能できます。
カラフルな家々や手入れの行き届いた花、石畳の道など、どこかノスタルジックな空間はまるでおとぎ話の世界に飛び込んだようです。
アルプスの大草原を堪能できる公園がアジアーゴの町中から徒歩10分ほどの距離にあります。パルコ・ブリガータ・レジーナ(Parco Brigata Regina)からは、どこまでも続く高原を眺めピクニックやのんびり散歩するのに最適な場所です。
アジアーゴで楽しむアクティビティ
春から秋にかけて乗馬センター、アーチェリー、ラフティング、パラグライダーなどのツアーやアクティビティに参加できます。
冬にはスキー場、アルペンスキーコース、スキージャンプ台などアスレチック施設が数多く用意されています。
ハイキングコースもあり、手付かずの森の両サイドにある小道を歩きリフレッシュするのもおすすめです。ハイキングの途中ではニワトリ、ひつじ、牛、馬などが飼育されていて、大自然の開放的な場所で動物が暮らす姿も見られます。
澄んだ空気と都会の照明が少ないため、アジアーゴは星空観察にも理想的な環境です。アジアゴ天体物理観測所(Osservatorio Asiago)が1942年にここに設立され、当時はヨーロッパ最大規模でした。
アジアーゴの美食
アジアーゴチーズ
アジアーゴという名前は、同名のチーズと切っても切れない関係にあります。チーズの起源は10世紀に遡ります。太古の昔から高原で生産されており、伝統食材の一つでもあります。
このセミハードからハードのチーズには、新鮮なアジアーゴと熟成したアジアーゴの2つの主要な品種があり、ほのかなナッツの香りと豊かなピリッとした味わいが特徴です。
硬い食感なので削りおろすのに最適で、アジアーゴ ストラベッキオはリゾット、ラビオリ、パスタ料理にぴったりです。
また、ユニークな特徴を持つフレッシュチーズ「トゼーラ(Tosela)」もありますよ。
ヴィチェンツァ県周辺でも堪能できるトゼーラチーズは、バターを溶かしたフライパンやオーブンで焼きます。調理しても溶けず、スライスしたトゼーラをイタリアのキノコ「ポルチーニ」やとうもろこしの粉で作ったお粥のような「ポレンタ」と一緒にいただきます。
アジアーゴおすすめのお土産
先ほど紹介したアジアーゴチーズはもちろんのこと、アジアーゴは食と密接な関係があります。
スペック・ディ・アジアーゴ|Spec di Asiago
アジアーゴで製造されたスパイスの効いた生ハム。じっくり熟成した燻製の生ハムは、薄くカットしてそのままワインとセットで美味しくいただけます。ほかにもパスタやチーズとも相性が良いですよ。
リゴーニ・ディ・アジアーゴ|Rigoni Di Asiago
イタリアで有名なチョコレートスプレットブランド「リゴーニ・ディ・アジアーゴ」の本店が町のメイン通り沿いにあります。
オーガニックのヘーゼルナッツを入れたチョコレートスプレットのほか、オーガニックのフルーツジャム、豊富な種類のはちみつなど、大きなビンや手のひらサイズのビンに詰められて販売されています。
可愛いラッピングもあるのでお土産にも喜ばれますよ。
サラミ|Salame
スーパーやお肉屋さんへ行くと必ずといっていいほど目にするのが「サラミ」。通常は吊るして販売され、大きさや味が異なりバラエティ豊富です。
食べるときは薄くスライスして、周りを取り除いでいただきます。アジアーゴチーズや赤ワインとの相性が抜群ですよ。表面をさっと炒めても油が出て美味しくいただけますよ。
グラッパ|Grappa
イタリアの食後に欠かせないグラッパ。強くシャープな味わいは、食後の消化を手助けしてくれるとしてイタリア人の食後にはグラッパは欠かせません。
町の特産品として「アマーロ・アジアーゴ(Amaro Asiago)」や「クラーネベット(Kranebet)」があります。アルコール度数は35度~60度と高く、見た目は水のようですが飲んでみるとびっくりします。エスプレッソに入れて楽しむ「カフェ・コレット」というドリンクもあります。ぜひ機会があったら試してみてくださいね。
魅力的なアルプスの高原アジアーゴ
世界的にも有名なアジアーゴチーズで知られている町。美しい風景だけでなく美食でも名高いアジアーゴで、存分にイタリアンを味わってください。
アジアーゴに訪れると、冬でも夏でも大自然の優雅な眺めと美しい空気の中で育った新鮮な食材など、大地の恵みを受けることができますよ。
https://www.veltra.com/jp/europe/italy/?sid=1554
Shiho Yamaguchi
余暇プランナー
欧米のライフスタイル・サステナビリティを発信しているフリーライターです。 ニューヨーク在住中にイタリア人と出会い、現在は拠点をミラノに移し夫と娘の3人暮らしをしています。趣味は、格安フライトやフェリーで行く月1回のヨーロッパ旅行。2歳の娘は、現在12カ国の旅行を経験し旅育にも力を入れています。トリリンガル子育て中です。 旅で経験した情報をお伝えしたいと思っています。