ワインといえば、フランスやイタリアといった国を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、ドイツのワインにはそれらとは違った魅力があり、多くの人々から愛され続けています。
今回は、そんなドイツワインの魅力を詳しく解説します。ぜひお酒に興味のある方はチェックしてみてください。
全体的なドイツワインの特徴
ドイツワインの魅力は、口当たりの良さと深い味わいが楽しめること。 ワイン生産地としては寒冷の地域となり、生産量が圧倒的に多い白ワインは世界でも高い評価を得ています。涼しいドイツの気候によりブドウがゆっくりと熟していくために、口当たりや酸味と甘味のバランスが絶妙なワインが造られています。
ブドウの品種は白ブドウのリースリングが最も多く、黒ブドウのピノ・ノワール(ドイツではシュペートブルグンダー)が有名です。 味は辛口から極甘口、スパークリングワインなど幅広く取り揃えています。 特に日本ではあまり見かけない甘口や極甘口のものは、ワインの苦味や酸味が合わなかった方や初心者にも飲みやすいものが多いため、一度はテイスティングしてみると良いでしょう。
細かく分けられた品質等級の種類を解説
ドイツワインの品質は4つの等級で大別 されており、上から以下の順番になっています。
- プレディカーツヴァイン(Prädikatswein)
- クーベーアー(QbA)
- ラントヴァイン(Landwein)
- ドイッチャー・ターフェルヴァイン(Deutscher Tafelwein)
ラントヴァインとドイッチャー・ターフェルヴァインはテーブルワインに分類 され、ドイツで日常的に飲まれているものはこちらです。辛口から甘口と味の範囲も広いので、お手頃に探せるでしょう。 クーベーアー以上は上級ワイン として扱われ、 最上級のプレディカーツヴァインにはさらに6つの肩書きで細分化 されています。その順は上から以下のとおりです。
- トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese)
- アイスワイン(Eiswein)
- ベーレンアウスレーゼ(Beerenauslese)
- アウスレーゼ(Auslese)
- シュペートレーゼ(Spätlese)
- カビネット(Kabinett)
上級になるほど甘口が多くなる傾向ですが、アウスレーゼの中にも辛口はあるためあくまで目安と考えましょう。ただし、極甘口を探す場合はトロッケンベーレンアウスレーゼからベーレンアウスレーゼまでの中からの方が効率的です。
代表的なドイツワインの産地は4か所
ドイツワインを選ぶ際には産地の特徴も把握しておくと、さらに絞り込めます。
ドイツワインの定番である「ラインワイン」
ラインワインは、ドイツ最大のワイン生産地となるライン川流域で造られたワインです。
ライン川の 右岸のラインガウでは、力強さと繊細さがあるリースリングのワイン が特徴。 左岸のラインヘッセンでは、若手醸造家によるダイナミックで高品質な生産地の個性を重視したワイン が造られています。ラインヘッセンではリースリング以外にもシルヴァーナーと呼ばれるブドウを使ったものもあり、洋梨のようなフルーティーな香りに穏やかな酸味がある味わいが楽しめます。
ワイン初心者にも飲みやすい「モーゼルワイン」
モーゼルワインはモーゼル川流域で造られており、 ドイツでは最古のワイン産地 です。急斜面に石垣を築いて造ったテラス上のワイン畑が風光明媚な景色を生み出し、川沿いにあるコッヘムやベルンカステル・クースなどではあちこちにワイン酒場があります。
モーゼルワインに使われているのはリースリングで、標高の高さによる冷涼な気候により フルーティーでさっぱりとした余韻が気品を伺わせる味わいが特徴 です。飲みやすい部類なので、ワインを飲み慣れていない方やワイン選びに失敗してきた経験のある方はぜひ試してみてください。
辛口で通好みの「フランケンワイン」
「ワインは辛口に限る」という方におすすめなのが、バイエルン州北部で造られるフランケンワインです。 ドイツでは希少な辛口にこだわられてきたエリア で、 「ボックスボイテル」というずんぐりとした平たく丸い形が伝統的なボトルで販売 されています。
栽培されているブドウの品種はシルヴァーナーとミュラー・トゥルガウで、 男性的な力強いコクと風格のある味わいが特徴 です。ドイツを代表する作家のゲーテが、遠方から妻に対して『すぐにいつも飲んでいるフランケンワインを送ってほしい』と手紙で懇願したワインとしても知られています。
ドイツでは珍しい赤ワインの「バーデンワイン」
バーデンワインは、ドイツで3番目に大きなワイン生産地域であるフランスのアルザス地方と国境を接するライン川上流にある地域のものです。ドイツの生産地域の中では最南端に位置し、 南北に細長く広がるエリア内の気候や土壌の性格の多様性を利用して、さまざまな品種のブドウが栽培 されています。
造られるワインの種類も多い地域ですが、栽培面積の多くを占めているのは赤ワインの製造に使われるピノ・ノワールです。 豊かな香りと深く滑らかな味わいを持ち合わせたワイン となることが多く、愛好家たちからも高い支持を集めています。
現地でしか味わえないシーズン限定のワイン
秋にしか味わえない新ワイン「フェーダーヴァイサー」
ドイツではワインになる前の発行が始まったばかりのブドウ果汁を、フェーダーヴァイサーという秋限定の飲み物で楽しむ風習があります。 リンゴジュースのような濃厚な甘みのある味わいが特徴 です。 飲みやすい反面アルコール度数が高いので、飲み過ぎには注意 しましょう。
フェーダーヴァイサーは 9月〜10月頃にワインショップやスーパーで販売 されます。 ワイン農家のできたてを楽しむのもおすすめ です。ただし、炭酸が発生し続けているために完全に密封できません。ボトルで購入しても日本へ持ち帰れない点に注意しましょう。
クリスマスの名物ホットカクテル「グリューワイン」
グリューワインは、ヨーロッパで冬の定番ドリンクとして親しまれている飲み物です。クリスマスの4週間前から開催される ドイツのクリスマスマーケットにおける名物の1つ であり、 スパイスやシロップが入ったホットワイン になります。
グリューワインは冷えた体を温めてくれる寒い季節にピッタリの飲み物ですが、クリスマスマーケットで飲む際は マグカップにも注目 です。可愛いのはもちろん各地で形やデザインが異なっており、コレクションするのも面白いでしょう。
お酒好きならドイツワインをお土産に選んでみよう
自分好みのワインを見つけるにはテイスティングが欠かせません。しかし、ワインの種類は多く、ある程度絞り込んでおかないとどれをテイスティングしてみるか選ぶのも苦労します。
ぜひこの記事を参考に、ドイツワインの中から自分好みのものを探してみてください。
https://www.veltra.com/jp/europe/germany/?sid=1554
出典・参考
C.Wakisaka
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。