薬味や鍋物、スープなどさまざまな料理に活躍してくれるネギ。
料理により切り方が変わりますが、どう切ればよいのかわかりにくいものもありますよね。
また、薄く切ったり細かく切ったりするものは、上手に切るコツを知っておくことで仕上がりがグンとよくなります。
今回の記事では「ネギの切り方」について、管理栄養士が解説します。
押さえておきたいネギの切り方のポイント
ネギは切る方向によって味わいが変わります。
横方向に切ると繊維が壊れて辛みや香りが出やすくなりますが、縦方向では繊維に沿うため、辛みが出にくくやさしい甘みを味わえます。
また、鍋やスープ、炒め物に使う斜め切りは、甘みと辛みのバランスがよくなるため、定番の切り方ともいえます。
さらに、切り口が広くなるため、素早く火が通る切り方です。
料理によって、またどのような味わいに仕上げたいかによって切り方を選ぶとよいでしょう。
【料理別】ネギの基本の切り方
ネギは主に4種類の切り方があります。
どの切り方を選べばよいか、切り方の特徴とあわせて以下の図にまとめています。
それでは、それぞれの切り方や上手に切るコツを詳しく解説します。
麺類や汁物に「小口切り」
小口切りは、蕎麦やうどん、ラーメンなどの麺類、丼、スープ、みそ汁などの料理や、冷ややっこなどに載せる薬味として使います。
繊維を断ち切るように切ることで繊維が壊れ、ネギの香りや辛みが引き立ちます。
料理のアクセントにしたい場合、ネギの香りを楽しみたい場合によいでしょう。
ネギは横向きに置き、端から好みの厚さに切ります。
薬味として使うときは1~2mm程度の薄切りにしましょう。
汁物に入れるときは、3〜5mmほどと少し厚めに切っても食べごたえがあっておすすめです。
うまく薄く切れないのはなぜ?【小口切りを上手に切るには】
ネギを薄くきれいに切りたいのに、中身が飛び出たりつながったりしてしまい、うまく切れないことはありませんか?
この原因は、包丁の切れ味がよくないことが考えられます。
切れ味が落ちているため、力が加わって中身が飛び出たり、最後まで切れずにつながってしまったりしてしまいます。
手軽に切れ味を復活させたいなら、2つ折りにしたアルミホイルを包丁で何回か切ってみましょう。
アルミホイルが包丁の欠けた部分を埋めるため、切れ味が復活します。
しかし、これはあくまで一時的な効果です。
切れ味がすぐに戻ってしまうため、今後もネギなどの野菜を上手に切りたい方は、100円ショップなどで手に入る包丁研ぎがあると便利です。
薄く切りたいならスライサーを活用しても
スライサーを使うと簡単に薄く切ることができます。
薄く切ることが苦手な場合、またたくさん切りたい場合は活用してみましょう。
鍋、炒め物に「斜め切り」
斜め切りは、鍋、スープ、みそ汁、炒め物などに使うときに適しています。
ネギの甘み、辛み、香りをバランスよく楽しめる切り方です。
切り口が広いため火の通りもよく、調理時間を短縮したいときにもおすすめです。
ネギを横向きに置き、斜めに包丁を入れて切ります。
汁物や炒め物に入れる場合は3〜5mm程度、鍋物に使う場合は1〜2cm程度の幅に切るとよいでしょう。
料理の飾りに「千切り(白髪ネギ)」
千切りは、白く細い見た目が白髪に似ていることから「白髪ネギ」とも呼ばれます。
担々麺、ラーメン、スープ、豚の角煮、麻婆豆腐など、中華料理や和食の飾りとして使われます。
ネギの繊維に沿って切るため辛みが出にくく、シャキシャキとした食感を楽しめる切り方です。
ネギの白い部分を5cm幅に切り、縦に切り込みを入れ、芯を取り出します。
芯は白髪ネギには使わないため、ほかの料理に使いましょう。
外側の白い部分を押し広げるように平らにし、繊維に沿って端から千切りにします。
切ったネギを水(または氷水)に入れ10分ほどおき、手でもむようにします。
水につけてもむことで、ネギが丸まり見た目が美しくなります。
またシャキシャキとした食感になり、辛みも抜けて食べやすくなります。
フォークなら5秒で完成
千切りが苦手な方は、フォークを使うとあっという間に白髪ネギが完成します。
ネギの端にフォークを刺し、手前に引いてネギを裂きます。
何度か繰り返しネギが細くなったら包丁で切り離します。
辛みを抜きたい方は、10分ほど水にさらしておきましょう。
包丁で切った場合と比べてみます。
フォークで切ったもののほうが太くなりますが、手軽に切りたいときには便利な方法です。
香味だれや肉だんごに「みじん切り」
みじん切りにしたネギは、香味だれやユーリンチーなどのたれとして、また肉味噌、肉だんごや餃子などに混ぜ込む場合に使えます。
ネギの繊維を縦横に切ることで、香りや辛みが引き立ちます。
ネギの香りを楽しみたいメニューや、ひき肉に混ぜ込んでくさみ消しのように使うのがよいでしょう。
ネギのみじん切りの方法はいくつかありますが、今回は手早く切ることができる、斜めに切り込みを入れて切るやり方を紹介します。
ネギは横向きに置き、ネギの半分の高さまでを目安に、斜めに3mm幅に切り込みを入れていきます。
端まで切り込みを入れたら上下をひっくり返し、同様に端から斜めに切り込みを入れます。
両側に切り込みが入ったら、端から3mm幅に切っていきます。
細かくしたい場合は、さらに包丁で刻んでください。
捨てないで!青い部分の活用法
ネギの青い部分(緑色の葉の部分)を捨てていませんか?
実は青い部分にはカルシウムや鉄などの栄養が豊富です。
またネギの香りや色も楽しめるため、捨てている方はぜひ活用しましょう。
活用法の例をいくつかご紹介します。
小口切りにして薬味に
青い部分を小口切りにすれば、薬味として活用できます。
味噌汁やスープ、麺類などに入れて楽しみましょう。
斜め薄切りにして炒め物やスープに
斜め薄切りにすれば、炒め物やスープの彩りとして活躍してくれます。
青い部分は硬いため、少し薄切りにすると食べやすくなりますよ。
みじん切りにしてネギ味噌やお好み焼きに混ぜ込む
みじん切りにすれば、香りの強さを活かしてネギ味噌やネギソースとして使えます。
またはお好み焼きやチヂミなどの粉ものに混ぜ込むと、彩りよくネギの風味も楽しめます。
肉を茹でる際の臭み消しにも使える
青い部分は香りが強いため、肉を茹でる際の臭み消しとしても活用できます。
鶏ハムを作るときや、角煮用豚肉の下茹でのときなどに入れると、肉の臭みが気になりにくくなります。
青い部分をまとめて冷凍しておくと、使いたいときに使えて便利ですよ。
ネギは部位により味わいが異なる【切り方とあわせて知りたい】
ネギは部位により、甘みや辛みの強さが異なります。
根元は甘みが強く、青い葉の部分に近づくほど辛みが強くなります。
辛みが少ない根元は薬味に。
中間〜青い部分に近いところは鍋、煮物、汁物などに。
青い部分は辛みや香りを活かして薬味、汁物、炒め物と、好みによって使い分けましょう。
ネギの切り方をマスターして、さまざまな料理に活用しよう!
今回の記事では「ネギの切り方」について管理栄養士が解説しました。
ネギは切り方によって味わいが変わるため、お好みの方法で切り方を選んでくださいね。
栄養豊富で料理に香りや彩りを与えてくれるネギを、さまざまな料理に活用しましょう。