なんだか寝つきが悪い。寝ても疲れが取れない気がする。それってもしかして、布団のせいかも。
お肌に触れる、枕カバーやシーツ。ちょっと洗濯を怠ったら、なんだか臭うし体がかゆい、なんて経験はありませんか?筆者は、あります(もともとアトピー持ち)。
衣類と違い、気軽に洗濯できない布団の中はどうなっているのでしょうか。
天日干しだけではなかなか落とし切れない布団の汚れ、丸洗いできたらどんなに良いことでしょう。
今回の記事では、家事のプロが「洗える布団・洗えない布団の見分け方と自宅での洗濯方法」を解説します。
布団の丸洗い!洗濯で失敗しないための5つのポイント
布団を丸洗いする際にまずチェックしたいポイントは、次の5つです。
①水洗いができるか
②乾燥機が使えるか
③キルティング加工されているか
④自宅の洗濯機の容量と合っているか
⑤干すのに適している天気が続くか
この中でも、①が特に重要です。
そもそも水洗い可能でなければ、自宅で洗濯することはできません。
乾燥機が使えれば、高温乾燥でダニや雑菌を防止できます。
キルティング加工がされていれば、羽毛や綿の偏りを防ぐことができます。
自宅洗濯機の容量と洗う布団容量があっていれば、汚れ落ち良く生地の傷みも最小限にできます。
また、洗った布団はすぐには乾かないため、干せる天気が続くかも重要です。
これら5つのポイントを押さえ、布団丸洗いを失敗せずに進めましょう。
洗濯表示を確認し、洗える布団かを見分ける
水洗い可能かどうかは、洗濯表示で確認できます。
・洗濯機マーク
・たらいのマーク
・手洗いマーク
・たらいに手を入れているマーク
があれば、水洗いOKです。
もし「たらいのマークに×印」の表示がある場合は、水洗いができません。
布団専門クリーニングのプロに、お任せしましょう。
洗える布団の場合
洗濯表示で洗える布団であることが分かっても、洗濯方法には次の3通りがあります。
・自宅の洗濯機/コインランドリーで可能
・手洗い(踏み洗い)のみ可能
・クリーニング店のみ可能
当記事では、「自宅の洗濯機」「お風呂での踏み洗い」の2つに絞って解説していきます。
【布団を洗濯】丸洗いの前に用意したいものは?
自宅で布団を洗濯する場合に、用意しておきたいものをチェックしていきます。洗剤の溶け残りなく、素材を傷めず、しっかり乾燥させるには、以下のものの用意がおすすめです。
【用意するもの】
•液体洗剤(中性)
•布団/毛布用洗濯ネット
•干せる場所(できれば竿2本)
順番に説明します。
洗濯ネット
洗濯ネットなしで洗濯機を回してしまうと、側生地と洗濯槽の摩擦により、生地が破れて羽根や綿が出てしまうかもしれません。洗濯機の故障につながることも......。
必ず、大きめのネットを用意しましょう。
なお、洗濯機の種類によっては、ネットなし推奨のものもあります。
自宅の洗濯機の取扱説明書は、要チェックです。
参考:羽毛ふとん・毛布専用洗剤 羽毛ふとん・毛布専用洗濯ネット | ランドリー | お掃除用品のダスキン、【ドラム式洗濯機】洗濯や乾燥する衣類に気をつけることがありますか? - 洗濯機/衣類乾燥機 - Panasonic
中性の液体洗剤
羽毛布団は、「寝具専用洗濯洗剤」や「おしゃれ着用洗剤」(中性)がおすすめです。
絶対に、中性以外は使用してはいけません。
羽根は、タンパク質からできています。
アルカリ性の洗剤は、たんぱく質を溶かしてしまったり、羽毛に含まれる必要な油分を落としてしまったりするため、使わないようにしましょう。
また、柔軟剤を布団に使用すると、羽毛の油分を包み込み、独特のふわふわ感を奪ってしまいます。
柔軟剤の使用は、カバー類やシーツに留めておくことをおすすめします。
布団を干せる十分な場所
洗った布団をしっかり干せる場所の確保も忘れてはいけません。
水を吸った布団は重くなるので、竿も2本程度あるとモアベターです。
実践①洗濯機で丸洗い【布団の洗濯】
対応サイズの目安は、表の通りです。
洗いたい布団のサイズが洗濯機容量に合わない場合は、実践②までスクロールしてくださいね。
布団を洗濯機で洗う方法
洗濯機で布団を丸洗いする手順は下記の通りです。
【手順】
❶布団の短辺を三つ折りにし、空気を抜きながらネットの幅に合わせてくるくる巻く
❷最大水位まで水を溜めたら、洗剤をしっかり溶かしこむ
=汚れ落ちのムラをなくす
❸ネットに入れた布団を入れ、水分を充分に吸わせて浮かないようにする
=生地破れ/洗濯機故障防止
❹「毛布」「大物」コース選択で丸洗いスタート
実践② 浴室で踏み洗い【布団の洗濯】
洗濯機の容量が小さかったり、布団が大きかったりで洗濯機で丸洗いできない場合は、浴槽で布団を踏み洗いするという方法があります。
布団を浴室で踏み洗いする方法
浴室で布団を踏み洗いする手順は下記の通りです。
【手順】
❶浴槽の縁に4つ折にした布団(ネットなし)をかけたら、ざっとシャワーで表面のほこりや汚れを落とす
→水分を吸わせて浮かないようにする
❷浴槽に布団の素材に合わせた温度のお湯をため、洗剤を溶かしきる
❸縁にかけておいた布団を浴槽に入れ、30〜60分ほどつけ置きする
❹上下折り返しながら、まんべんなく踏み洗いする
❺2、3回お湯(水)を溜めなおし、踏みながらすすぐ
❻シャワーをかけながら、踏んでも黒い水が出てこないか確認する
❼しあげの踏み作業でざっと脱水できたら、浴槽の縁にかけて50〜60分ほど放置し、さらに水を抜く
筆者は、持ちあげられるほどの重さになったら、いったん洗濯ネットに入れて、3〜6分洗濯機で脱水をします。
洗濯槽から布団を出すときは、ゆっくり、が肝心。
脱水前より膨らんでいるため、洗濯機に引っかからないように取り出します。
まんべんなくぎゅっぎゅっと踏む作業は、エクササイズのようで楽しいです。
反面、濡れた布団の移動は大変な重労働となります。
腰に不安を抱える方は、自分の筋力を過信せず、無理をしないでくださいね。
筆者は20代のときにこの作業で軽いギックリ腰になり、整骨院のお世話になりました......。
40代の今は、膝をきちんと使って作業しています。
洗濯して丸洗いした布団をしっかり乾燥させるには?
週間天気予報で、晴れが続くことは確認済みですね。風通しの良い場所に干しましょう。
干す時間は、だいたい2〜3日ほどです。
竿が1本のみだと乾燥が遅く、カビや雑菌の繁殖にもつながるため、2本の竿にかけるのがおすすめです。
空気の通り道を作るように、M字にかけてくださいね。
半日〜1日経過で裏返す、裏返すを繰り返せるとなおベターです。
コインランドリーの乾燥機に頼るも◎
とはいえ、天候が変わりやすい時期もあることでしょう。
急に雨模様になってしまったら?せっかくキレイに洗った布団が台無しです。
そんな場合は、ご近所のコインランドリーの乾燥機を活用しましょう。
運ぶ手間と料金(30〜60分で400〜800円ほど)はかかりますが、頑張って踏み洗いした布団を臭わせることなく、はやく乾燥させるにはもってこいです。
ある程度表面が乾いたら、室内で中綿部分をしっかり乾燥させていきましょう。
マンションの規約上、ベランダに干せない方にもおすすめです。
丸洗いの頻度とタイミングは?最適な布団の洗濯周期とは
結論、布団は半年に1回ほど丸洗いできるとベターです。
厚生労働省「旅館業における衛生等管理要領」によると、6月に1回以上その汚れ等を除去するため丸洗いをするのが望ましいとのことです。
東京都福祉保健局の『指針No.31 ダニアレルゲン』にも、専門の業者に頼んで1年に2回ぐらい行うとよいと記載がありました。
タイミングは、筆者の場合はだいたい、じめじめ時期の6月と、使用寝具が増える12月です。
それぞれお住まいの地域での晴れが多い月を調べて、それに合わせて洗濯するのもよいですね。
参照元:旅館業における衛生等管理要領
住居とアレルギー疾患ー東京都福祉保健局
布団の日常的なお手入れ方法&役立つグッズ【洗濯と合わせて使う】
湿度が高くダニが繁殖しやすい時期は、普段から布団をお手入れしておくことが重要です。
1番簡単なのは、布団カバーを使用し、こまめに洗濯/取り替えをすることです。
カバーをつけても、布団には毎日汗や皮脂が染み込みますが、ダニのエサとなるほこりや皮膚片・食べかすの量を一気に減らすことはできます。
黒い布をかぶせて天日干しもおすすめ
月に1〜2回、黒い布をかぶせての天日干し(陰干し)も効果的です。
湿度の少ない10〜15時の間に、干して取りこみましょう。
暑い時期には、黒い布ごと車中に入れておくというのも手ですね。
黒い布をかぶせる理由は、熱を吸収しやすい黒色を使うことで表面温度を高めるためです。
夏真っ盛りの時期であっても、布団の表面温度はダニの死滅温度(50度以上)にまではいたらない35〜40度ほど。
熱を吸収する黒い布で全体を覆うことで、表面温度は約8度あがり、中綿の含水量は5%から3%に下がります。そのため、よりダニを死滅させることができるのです。
布団乾燥機や布団掃除機などの活用
天候の悪い日続きでも、布団乾燥機や布団用掃除機/布団ツールがあれば安心です。
布団乾燥機でダニを死滅させたあと、フンや死骸やほこりを掃除機で吸いあげる順番がおすすめです。
普通の掃除機&布団ツールを使用する場合は、本体の排気の方向に気をつけてくださいね。
布団はお家で丸洗いできる!定期的に洗濯して快適に使おう!
今回の記事では、家事のプロが「洗える布団・洗えない布団の見分け方と自宅での洗濯方法」を解説しました。
人生の3分の1を過ごすといわれる、布団の中。
アレルギーのもととなるダニのフンや死骸を吸い込んでしまうのは、主に睡眠中です。
布団の丸洗いは、衛生面と快適な睡眠にとって大切です。
洗濯表示・洗濯機容量・天候・丁寧な洗い方/干し方を確認して、じめじめ時期を一緒に乗り越えましょう。
家族全員が健康に過ごせるように、普段からのお手入れ(カバーの洗濯/取り替え・天日干し・布団乾燥機•布団掃除機)も、分担してできるとよいですね!