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「このアサリ、すぐ食べられますか? 」。これは鮮魚店で3代目店主を務める筆者が、店頭でお客さまからよく聞かれる質問です。アサリは砂抜きをしていないと、食べたときに砂を噛んで嫌な思いをしますよね。今回はそのアサリの砂抜きについて解説します。アサリを使った簡単でおいしいレシピも紹介するのでぜひ作ってみてください。
スーパーのアサリはほとんどが砂抜き済み
スーパーや鮮魚店でアサリを見かけた時、「食べたいけれど砂抜きが面倒だな」と思っていませんか。実は店頭で売られているアサリは、ほとんどが砂抜き済み。出荷・輸送段階でほぼ砂抜きされているので、基本的には大量に砂を含んでいるものは売られていません。よく見ると販売容器などに「砂抜き済み」と書かれているのでチェックしてみてください。
店頭で購入したアサリが「ジャリッ」、その正体は?
砂抜きがされている状態のものを買ったはずなのに、食べてみるとジャリッとした……。そんな経験がある人もいるかもしれません。「砂抜きが十分ではなかった」と思いがちですが、これは砂抜きがされていないのではなく、アサリを洗う過程で砕けてしまった貝殻を噛んでいるということが多いです。
なぜ砕けた貝殻を食べてしまうのか。その原因は洗い方や調理段階にあります。勢いよく手でかき回したり、ガシャガシャと上下に動かしたりすると、汚れが取れる一方で貝殻が傷つき砕けてしまうのです。
正しい洗い方は、手のひらで包むようにしながら、水の中で優しく貝殻をこすり合わせるように洗うという方法。これでも十分に汚れは落ちるので実践してみてください。
知っておきたい「アサリの砂抜きの基本」
店頭で販売されているアサリのほとんどが砂抜き済みであるとはいえ、中には砂抜きが必要なものもあります。また潮干狩りでとってきたアサリは絶対に砂抜きをしなくてはいけませんね。そんな時はこれから解説する基本の砂抜き方法を参考にしてください。
なお、潮干狩りで持ち帰ったアサリを料理に使用する際は、砂抜きをする前に、一つひとつ食べられそうか丁寧にチェックしてください。ぴったりと殻を閉じていても、中身は身がなく砂泥だけというアサリもあります。この砂泥をびっしり詰めたアサリ(の死骸)を業界では「爆弾」と呼びます。これを知らずに調理すると、料理が砂まみれに。見分けるポイントは、砂抜き中に貝殻が開かず水管が出ないこと。また、貝殻の合わさった部分にナイフを差し込むと貝が開くので、目で確認することも可能です。ご注意ください。
使用するツール
水切りトレー / 水切りかご
使用する水切りトレーと水切りかごは、重ねた際に両者の間に空間があることが大切です。砂抜き中に抜けた砂が、水切りかごの隙間から下の水切りトレーに落ちると、吐き出した砂が上に戻らず、アサリがまた砂を吸い込んでしまうということを防げます。今回は100円ショップで購入したものを使用していますが、家庭にあるバットとバット網で代用しても問題ありません。
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材料
アサリ / 塩水(1Lの水に対して塩大さじ2)
※塩水の量はアサリに合わせて調整する
手順
1. アサリをかさらないようにしながら、水切りかごの上に並べる。
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2. その上から塩水を注ぎ入れる。注ぐ塩水の量はアサリにたっぷりとかぶるくらいが目安。
※潮干狩りでとれたアサリを使う場合は、海の水を合わせて持ち帰り使用するのがおすすめ。この際、できるだけきれいな海水を持ち帰ってください。
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3.水切りかごの上から新聞をかぶせる。これは、暗い方がアサリが砂を吐き出すためと、砂抜き中にアサリが吐き出す塩水の飛び散り予防のため。
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4. 潮干狩りでとったアサリはこの状態で1日以上砂抜きして完了。店頭で購入したアサリの場合は3時間~半日程度砂抜きをすればOK。
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水切りかごを上げれば、すぐに水切りもできます。
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おすすめレシピ: 「アサリと小松菜のにんにく炒め」
ここまで、砂抜き方法について説明しましたが、ここからは鮮魚店3代目店主の筆者が特におすすめの、アサリを使ったレシピを紹介します! アサリの旨みを小松菜と一緒に味わえる一品です。
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材料
殻付きアサリ 20個(300g前後) / 小松菜 5束(200g程度) / にんにく 1片(みじん切りにする) / 輪切り赤唐辛子 適量 / 酒 大さじ1 / 醤油 小さじ1と1/2 / 油(サラダ油など好みで) 大さじ1
作り方
1. 砂抜きしたアサリを殻ごと水で洗う。殻が割れるのを防ぐため、優しく手で包み込むようにして洗うこと。
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2. 小松菜を包丁でざく切りにする。
3. フライパンに油を入れ、にんにくを入れて中火で熱し、香りが出てきたら輪切り赤唐辛子も加える。
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4. 小松菜の茎の部分を加えてにんにくと炒め合わせたら、アサリを入れて酒と醤油をふりかける。
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5. フライパンに蓋をし、アサリの殻が開きだしたら小松菜の葉の部分も入れて蒸し焼きにする。
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6. アサリの殻が全部開いたら蓋を開け、殻が欠けないように優しく混ぜ合わせて完成。ここでフライパンを勢いよく振ってしまうとアサリの殻が欠けてジャリッとした食感になってしまうので注意すること。
最後に味見をして、塩気が少ない場合は好みで塩の量を調製する。また胡椒や仕上げにごま油を少し加えるのもおすすめ。
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せっかく作ったアサリ料理がジャリッとしていると気分も味も台無し。しっかり砂抜きして、おいしくアサリを味わいましょう!