観測史上初となる6月の梅雨明け後、7月は30度を超える暑さが続いていますね。晴れた日が多いですが、これからの季節は、ゲリラ豪雨や台風による大雨もあって雨の油断はまだまだできません。そこでここでは、傘やレインコートのお手入れ、中でもにおいケアについてライオン株式会社のお洗濯マイスターの大貫和泉さんに教えてもらいました。
傘やレインコートのにおいの原因と対策
傘やレインコートは、汚したつもりはなくとも、使い続けると知らず知らずのうちに汚れてしまっているのだとか。「雨の日、出かける時に傘を開いたり、レインコートを着たら生乾き臭などのイヤなにおいがして憂鬱な気分になってしまった…なんて経験がある人も多いはず。汚したつもりはなくても、濡れたままの状態でいつまでも放置すると、嫌なにおいが発生してしまうことがあります」。
少し面倒に感じるかもしれませんが、傘やレインコートを使用したら、しっかり乾かしてから片付けることが重要。また、定期的にお手入れをすることがにおい対策になると大貫さん。においや汚れが気になったり、はっ水効果が落ちてきたなと感じたら、お手入れをしましょう」。
傘のお手入れ方法
まず最初に傘のお手入れ方法からご紹介します。お手入れをすると、嫌なにおいがすっきり無くなり、はっ水効果もアップしますよ。
準備物
おしゃれ着用洗剤(「アクロン」を使用) / ブラシ(洗濯用) / 洗濯おけ(またはバケツ) / スポンジ / きれいなタオル / はっ水スプレー
洗い方
1. 傘に付いたチリやホコリをはらう
雨には空気中のチリやホコリなどが含まれているため、洗う前に傘全体についたチリやホコリを洗濯用ブラシ等で取り除いておく。
2. 洗剤液を作る
おしゃれ着用洗剤(「アクロン」)を洗濯おけに溶かし、洗剤液を作る(水4Lにおしゃれ着用洗剤10ml程度)。
3. 傘を内側→外側の順に洗う
洗剤液をつけたスポンジで傘の内側、外側の順に全体をこすり洗いする。特に汚れやすい折り山部分のすじ汚れは、丁寧に汚れを落としておく。折りたたみタイプの傘は内側が汚れやすいので念入りに洗うように心がける。
4. 水をかけて、よくすすぐ
すすぐ際は、スポンジで軽くこすりながら洗剤が残らないように、すすぐようにする。シャワーを使うと広い面積を一度にすすぐことができるのでおすすめ。
5. 水分をふき取る
洗剤液を十分にすすぎ終えたらタオルなどの乾いた布で、全体の水気をふき取る。この時に、サビを防ぐために、中の骨組みの部分もしっかり水気を取るようにする。
6. 日陰で干す
水気をふき取った後は、完全に水分がなくなるまで干す。日に当てると色が褪せる場合があるので、日陰に干すようにする。
7. はっ水スプレーを噴霧する
傘は何度も使ううちにはっ水効果が低下。また、お手入れの際の洗浄によってもはっ水効果が低下する場合があるため、傘が完全に乾いたら、はっ水効果を高める「はっ水スプレー」を全体にまんべんなく噴霧しておく。
※要注意: はっ水スプレーは、吸い込むと呼吸困難や肺障害などを引き起こすことがあるため、風通しの良い屋外で使うこと。はっ水スプレーを使用する際は、製品の表示を確認したあと、あらかじめ目立たないところでシミや変色の確認をしてから使うようにする。
レインコートのお手入れ方法
においが気になるレインコートは、手洗いで洗濯するのがおすすめです。
準備物
おしゃれ着用洗剤(アクロン) / 洗濯おけ(またはバケツ) / バスタオル
レインコートの洗い方
1. 「洗濯表示」を確認し、家で洗えるかどうかを確認する。下記のマークがついていれば、家庭での洗濯が可能。
2. 気になる汚れは、前処理
気になる部分汚れには、おしゃれ着用洗剤(アクロン)の原液を付ける。シミの部分には、「液体酸素系漂白剤」か「シミ用部分洗い剤」を付ける。
3. 手洗いする
洗濯おけに水4Lに、おしゃれ着用洗剤を10ml入れる。レインコートを入れ、洗剤液の中で衣類の中心部を軽くつかみ、前後左右に振って洗う振り洗いする。もしくは衣類をふわっと泳がせるように両手で寄せたり広げたりして洗う、アコーディオン洗いがおすすめ。
4. 十分にすすぐ
洗う時と同様に振り洗いや、アコーディオン洗いをしながら水でしっかりとすすぐ。
5. バスタオルなどにはさんで水気をとる
洗濯機の脱水は使用せず、バスタオルなどにはさんで水気をとってから干す。
6. カタチを整え、陰干しする
干す前にしわを伸ばし、カタチを整える。ナイロンやポリウレタン素材は紫外線に弱いので、日陰に干すようにする。
傘やレインコートに嫌なにおいを発生させないためにも、「濡れたら乾燥させる」「気になる汚れがあればふき取る」を徹底しましょう。「はっ水効果が落ちてきたと感じたら、はっ水スプレーをする」といった日頃からのお手入れも大切です。傘やレインコートのにおい対策をこころがけ、雨の日を少しでも快適に過ごしましょう。
取材協力
ライオン株式会社 お洗濯マイスター 大貫 和泉(おおぬき いずみ)
洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携る。2児の母親としての経験と研究活動を融合し、主婦・母親・女性目線で日々のお洗濯に役立つ情報をライオンの生活情報メディア「Lidea」でも情報発信中。