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唾液とAIでがんリスクを判定、新時代のセルフケア「サリバチェッカー」


日本では2人に1人ががんに罹患するとされ、がん対策が大きな課題です。そんな中、自宅で唾液を採取して郵送するだけでがんリスクを判定できる「サリバチェッカー」が注目されています。AI技術を用いて、唾液中の代謝物変化を分析し、6種類のがん(口腔がん、肺がん、胃がん、大腸がん、膵臓がん、乳がん)のリスクを評価します。この検査は現在の体の状態によるリスクをスクリーニングするもので、がん確定診断とは異なります。多くの企業で福利厚生として導入され、全国に広まっています。開発者であるサリバテックの砂村眞琴氏は、手軽に受けられるリスク検査の必要性を感じ、このサービスを開始しました。検査費用は自由診療で、定期コースを利用すると割安となります。今後、他のがん種への対応も期待されています。

日本人の2人に1人ががんに罹患するとされる現代において、がんとの向き合い方が静かに変わろうとしている。その中心にあるのが、針も通院も不要な、自宅で完結するがんリスク検査「サリバチェッカー」だ。

この検査は、自宅でわずかな唾液を採取し郵送するだけで、AIが6種類のがん(口腔がん、肺がん、胃がん、大腸がん、膵臓がん、乳がん)の罹患リスクを判定するという画期的なもの。その手軽さから注目を集め、累計受検者数はすでに9万人を突破、提携医療機関は全国1900施設以上、企業の福利厚生としての導入も約900社にのぼるなど、急速に普及が進んでいる。

「唾液+AI」という手法は、がん検査の新しいカタチを切り拓いた。これまでのがん検診、特に膵がんなどの発見が難しいがんにおいては、自覚症状が出てからでは手遅れとなっているケースも少なくなかった。しかし、この検査は体に負担をかけることなく、がんの早期発見の可能性を大きく広げるものであり、セルフ・ヘルスケア時代の新たな選択肢として期待されているのである。

開発の背景

この検査は、慶應義塾大学先端生命科学研究所の研究成果を基に、株式会社サリバテックが2017年にサービスを開始したものだ。研究では、がんの発症によって唾液に含まれる代謝物の構成が変化することが明らかにされており、サリバチェッカーはこの微細な変化のパターン、すなわち、がんの“サイン”をAIが解析し、リスクを評価する。

検査の仕組み

検査に必要な唾液は、わずか0.1cc。利用者は自宅で唾液を採取し、郵送するだけで検査が完了する。検査所に届いたサンプルは、唾液中に含まれるポリアミンなどの微量な代謝物の濃度変化を測定され、そのデータをもとにAIががんの罹患リスクを「高い/低い」で判定する。検査対象は「口腔がん」「肺がん」「胃がん」「大腸がん」「膵臓がん」、そして女性のみ対象の「乳がん」の6種類。

検査方法は自宅で唾液を採取して郵送するだけとシンプルなもの。

ただし、この検査はがんを確定診断するものではなく、あくまで現在の身体の状態におけるリスクを評価するスクリーニング(ふるい分け)検査である。遺伝的傾向を調べるものでもない。リスク評価が「高い」と判定された場合は、提携医療機関での再検査や相談が推奨される。検査結果は、検体を提出してから約2〜3週間で通知される。

株式会社サリバテックCEO/杏林大学医学部 教授・砂村眞琴氏

サリバテックCEO・砂村眞琴氏の想い

開発者であるサリバテックCEOの砂村眞琴氏は、もともと消化器外科医として、特に発見が遅れがちな膵がんの診療に尽力してきた。診断時にはすでに進行しているケースが多く、治療成績が厳しい現実を目の当たりにし、「定期的かつ手軽に受けられるリスク検査の必要性を痛感した」という。誰でも、どこでも、何度でも受けられる検査で、がんと人々の距離を縮めたい。その強い想いが、この検査の開発につながったのである。

検査費用

検査はすべて自由診療で費用は以下の通り。
単品購入:26,400円(税込)※送料無料、1回のみ
定期コース(年1回):1回あたり19,800円(税込)
定期コース(年2回):1回あたり16,800円(税込)
定期コース(年3回):1回あたり15,600円(税込)

定期コース(自動継続制)は継続回数に応じて1回あたりの費用が割安になる料金体系となっている。

記者の弟は予防接種が原因でB型肝炎になり、30年近く地元の国立病院で半年ごとに定期検査を受けていた。ところが7年ほど前、いきなりステージ3の肝臓がんを宣告され、誤診ではないかと別の病院で再度検査したら、ステージ3ではなくステージ4だった。結果、一年間の闘病後にこの世を去ったのだが、悔やまれるのが半年前の定期検査ではがんが見つからなかったことだ。それも、半年ごとのスパンで肝臓の検査を行っているのに肝臓がんの兆候が発見できなかったのはどうしてだろう。サリバチェッカーには今のところ肝臓がんの検査は対象外のようだが、さらなる技術革新であらゆるがんに対応できるよう進化し続けてほしいと強く感じた。

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