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織姫と彦星が1年に一度会うことのできる日と言われている七夕。天の川で引き離された二人をカササギが架け橋になってくれるという伝説があります。
ふだんはそんなに気にすることがない人も、ちょっと夜空でも観てみるかと思う人もいるかもしれません。星がいつもより身近に感じられる日は、星にまつわるビールを飲むのもビールの楽しみ方のひとつかも。ということで今夜は、星のビールを飲みながら、星めぐりでもいかがでしょう。
1年に一度だけ会える織姫と彦星の物語
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右下の明るい星/わし座のアルタイル(彦星)
左下の明るい星/はくちょう座のデネブ(カササギ)
7月7日の21:00頃。東の空に見えるのが織姫と彦星、そしてカササギ。この3つの星を繋いだ形は「夏の大三角」と言われています。一辺が長い三角定規のような形。
都会では空が明るいため天の川を観ることができませんが、織姫と彦星は天の川を隔てたところで明るく光っているのがわかります。
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ふと、「ふたりが一緒に暮らす世界線ってあったのだろうか」と想像してみました。
周りの目なんて気にも止めず、ずーっと遊び回る織姫と彦星。
静止する周りの声を聞かず、ふたりで逃避行している最中、パラレルワールドへいってしまう。
お互いを愛すことだけを考えているとしたら堕落してしまう未来しか見えないけれど、この世界には七夕物語がなくなってしまうかもしれない。
夏は流星群などもあり夜空がにぎやかな季節。夏の星めぐりのはじまりが七夕だといっても過言ではないので、七夕がない世界線はちょっと寂しい気もしてきます。
そう思うと、七夕物語は人々の想像を膨らませ、とても美しいお話として完成された物語でしょう。
七夕に飲みたいビール
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七夕のパラレルワールドを想像しながら味わうのは、忽布古丹醸造の『並行宇宙』。焙煎した麦芽の香ばしい香り。一口飲んでみるとビターながらもすっきりとした味わい。わずかな炭酸感も相まって、見た目に反してごくごくと飲めてしまいます。ほのかに感じる甘みも心地良い。
あるかもしれない並行宇宙を想像しながら、夏の星めぐりの幕開けとなる七夕物語のありがたみをしみじみと噛み締めます。
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軽井沢ブルワリーの『星のふる夜に(白ビール)』は、千住博画伯が描く子鹿の一夜の冒険がパッケージにデザインされています。クリーミーな泡に、鼻を近づけると香るやわらかくフルーティーな麦の香り。しっかりと飲みごたえを感じつつも、小麦のやわらかさがふんわり包んでくれて、やさしい味わい。
麦のありがたみを香りと味わいで感じられるので、麦星を探しながら飲んでほしい一本です。
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サッポロビール株式会社のCOCORO CRAFTから『流れ星ゴールデンエール』。”夜空を眺めながら、一息つきたい”、そんなココロに寄り添うようにと開発されました。鼻を近づけると、小丹枝さんが作る日本産ホップ「ふらのほのか」のやわらかく爽やかな香り。
ゴールデンエールならではの黄金色で、一口飲んでみるとすっきりとした味わい。爽快な炭酸感が口をぴりりとさせて、まるできらりと光る流れ星のよう。蒸し暑い夜の天体観測の最中にも、爽やかさに喉を潤してくれます。
ビールに関係する星座
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星の名前には、ビールに関係する星があります。
それは「麦」。
まずは、「麦星」と呼ばれるうしかい座のアークトゥルス。麦が実り収穫を迎える5月〜6月の日暮れ後、頭上に輝くことから「麦星」と呼ばれています。
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夏の大三角が観える同じ時間帯、北西に目線を動かすと北斗七星を見つけることができます。柄杓の形とも表されますが、柄の部分を曲線に沿って伸ばしていくと見つかるオレンジ色の明るい星がアークトゥルスです。
アークトゥルスを見つけたら、さらに曲線を伸ばすと見えてくるのがおとめ座のスピカ。青白く見えるスピカは、ギリシャ語で「穂先」を意味します。
おとめ座は豊穣の女神ともいわれ、夜空でもおとめ座が左手に持つ麦の穂先にスピカが輝いています。
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外飲みや旅行に行ったときなど、ビールを飲みながら夜空を眺める機会があるかもしれません。
そんなとき、ビールの豆知識として覚えておくと良いかもしれませんよ!
星が探せないときは、星を見つけられる無料のアプリもたくさん配信されているのでぜひ活用してみてください。
今宵は私もお気に入りのグラスでビールを飲みながら、織姫と彦星に想いを馳せたいと思います。