ビール女子の皆さん、こんにちは!酒販店やクラフトビアバーなどで見かけることが増えてきた「サイダー」。その魅力をもっと知りたい!ということで、サイダー専門家にその魅力を聞いてみました。
お話を伺ったのは、日本でサイダーの普及活動を行う『inCiderJapan(インサイダージャパン)』の代表Lee Reeve(リー・リーブ)さん。前回に引き続き、サイダーの選び方やおすすめの銘柄まで、いろいろと教えていただきました!
Lee Reeve(リー・リーブ)さん
「inCiderJapan」代表として、日本のおけるサイダーの普及活動を行う。その活動は幅広く、メディア・デザイン、マーケティング&プロモーション及びクリエイティブ・コンサルティングなど多岐にわたる。輸入、販売、サイダーグッズの取り扱いと、日本初で唯一のサイダー専門バイリンガル雑誌「inCiderJapan」の発行を手掛け、オリジナルイベントも開催している。
HP:https://www.inciderjapan.com/ja/
【前編はこちら】世界中で注目されている「サイダー」って何?ビール好きにこそ知ってほしい、サイダーの魅力
選び方はあなた次第!おいしいサイダーとの出会い方
―初めてサイダーを飲むとき、どうやって選ぶのがおすすめですか?
初めて飲むなら、レストランに行って飲むよりは、ボトルで気になったものを1、2本買って試すのがおすすめです。ナガノトレーディング直営店の「アンテナアメリカ」で取り扱っている商品は、手頃な値段で、飲みやすく、種類も豊富なのでおすすめですよ。
―味はどのように選べばいいですか?
サイダーには一番簡単な呼び方として、「ドライ」、「ミディアムドライ」、「スイート」、「セミスイート」という味わいでのカテゴリーがあります。味の好みにもよりますが、一般的には、ドライなものの方が入りやすいのかなと思います。
そして、リンゴの産地で分ける方法もあります。フランス産、スペイン産、アメリカ産、オーストラリア産、日本産などです。ワインでは「テロワール」という言葉が使われますが、サイダーでもその土地で採られた果汁から造られる飲み物ということで、国によって味わいが全く違います。
その他に、伝統的なスタイル(traditional style)、モダンスタイル(modern style)という分け方があります。伝統的なスタイルとは、「単一品種のみ」や「果汁100%のもの」、最後に「サイダー用のリンゴの品種を使ったもの」です。モダンスタイルは、「生食用のリンゴを使ったもの」です。
―選び方はたくさんありそうですね。缶やボトルを見てても、全部かわいいから、ジャケ買いするのも楽しそう!
もちろん、ジャケ買いでも全く問題なし!例えば、ラベルにパイナップルが描かれていたら、「パイナップル好きだから、これを飲んでみよう」で、いいと思いますよ。
―どんな選び方でもいいんですね。
でも、おいしいものが飲みたい場合は、しっかりとラベルを確認した方がいいです。ちゃんとりんご果汁が入っているか、果汁がどれくらい入っているかを確認してください。
―サイダー選びのコツはありますか?
一つ試してみておいしくなかった時に、「サイダー好きじゃないな」と決めつけちゃうのはもったいないですね。様々な種類があるので、「これはちょっと好みじゃなかったけど、次は違うものを飲んでみよう」と考えて、いろいろと試してみてください。新たな発見があると思います。
―ビールと同じですね。サイダーを飲む時におすすめのグラスはありますか?
イギリスではパイントグラスで飲まれることが多いですが、チューリップ型、白ワインを飲むような丸い形のものが、個人的にはおすすめです。サイダーのしっかりした果汁や風味を感じることができます。
キンキンに冷えた状態だと香りが感じられにくいので、冷えすぎててもダメです。目安は4℃から4.5℃くらい。冷蔵庫から取り出し、しばらく置くといいと思います。そして、氷なしで飲んでくださいね。
―なるほど!ありがとうございます。
いざ、アメリカのサイダーを飲み比べ!
Leeさんからお話をたっぷり聞いたあとは、実際にサイダーの魅力を体感すべく、ナガノトレーディングが輸入・販売するアメリカのサイダーを飲み比べることに。飲む前にLeeさんから、西海岸スタイルと東海岸のサイダーの違いについて説明していただきました。
Leeさん
簡単な説明になりますが、西海岸スタイルは「モダンスタイル」で、フルーツがブレンドされているものが沢山あります。それに対し、東海岸スタイルはトラディショナルなスタイルが多い傾向にあります。そして、西海岸スタイルだとシャンパン酵母を使う傾向にあり、東海岸の方が野生酵母を使う傾向があります。
それでは、Leeさんのコメントとともに、おすすめのサイダリーを紹介していきます!
飲みやすさが特長!西海岸スタイルの「Ace Cider」
『Ace Pineapple』,『Ace Joker Dry』
Leeさん
『Ace Pineapple』
世界初のパイナップルサイダーです。創立者が毎年家族と行くハワイ旅行のバケーション中にインスピレーションが浮かび、誕生しました。きれいな黄色で、グラスに鼻を近付けると、フレッシュなパイナップルの香りがします。飲んでみると、パイナップルジュースのようですが、炭酸のキレがあり、飲んだ瞬間にドライさを感じます。食事中にぴったり。
Ace Pineapple
〇生産者:Ace Cider
〇原産国:アメリカ
〇スタイル:Pineapple Craft Cider
〇原材料:りんご果汁、パイナップル果汁
〇アルコール度数:5%
〇容量:355ml
『Ace Joker Dry』
世界中のサイダーの中で、最もドライと言っても過言ではないほどキリっとしたドライテイスト。リンゴ果汁とシャンパン酵母を2回発酵させるのが特徴的。澄んだ黄金色で、リンゴの香りが爽やかに漂います。口当たり軽やかで、ほんのり甘く、後味は辛口。6.9%とは思えないほど、飲みやすいサイダーです。ジョーカーという名前が付いているだけあって、その笑顔に油断し、気付いたら酔っているパターンとなる1本。
野生酵母のみを使う、東海岸スタイルの「JK'S Farmhouse Ciders」
『Patriotic Paw Paw』,『JK'S Scrumpy』
Leeさん
『Patriotic Paw Paw』
パウパウとはフルーツの名前で、緑色のジャガイモのような外見。アメリカ産フルーツとして最大級にも関わらず、アメリカ人のほとんどはパウパウのことを知らないそうです。薄いオレンジがかった金色で、甘いトロピカルな香りします。飲み口はなめらかで軽く、オレンジの酸味とリンゴ果汁の甘みのバランスがよく、すっきりとした味わい。
Patriotic Paw Paw
〇生産者:JK'S Farmhouse Ciders
〇原産国:アメリカ
〇スタイル:Cider
〇原材料:りんご果汁、パウパウ、オレンジ、バジル
〇アルコール度数:5%
〇容量:355ml
『JK'S Scrumpy』
スクランピーというイギリスでよく使われていた伝統的なサイダー用りんごを使用。自家栽培の有機リンゴを収穫・圧搾し、半年以上かけてじっくり発酵させたとのこと。オレンジがかった黄金色で、ウイスキーのようなアルコール感ある香りがします。大人な感じがします。飲んでみると、芳醇なリンゴの風味が広がり、杏露酒のような濃厚な味わい。アルコール度数6%ですが、それ以上に感じ、お酒が苦手な方には強いかもしれません。
はじめてのサイダーに最適!革新的なスタイルの「Shacksbury」
『Shacksbury Rose』,『Shacksbury Ping Pong』
Leeさん
『Shacksbury Rose』
ニューヨーク州ブルックリンにあるレストランとコラボレーションで完成させたロゼワインのようなサイダー。リンゴ果汁を発酵後、カリフォルニア産ワインに使われるブドウの皮と共に熟成させたとのこと。きれいなピンク色で、ロゼのような香りがします。口当たりは軽く、イチゴやラズベリーのような風味と少しの酸味があります。色から甘さを想像させますが、そのようなことはなく、酸味と甘さとのバランスがとれたサイダー。
『Shacksbury Ping Pong』
クラフトビールのブルワリーであるModern Timesとのコラボレーションし、CitraとAmarilloホップを使用したサイダーとのこと。少し濁っているレモン色で、ホップの香りをはっきりと感じ、リンゴの甘い香りもします。口に含むと、最初にホップらしい草のような青さと苦みと一緒に酸味を感じます。そして、リンゴの甘さを感じた後、甘さが消え、苦みが口に残ります。ビールとは違う苦みの残り方で、とてもユニークな味わい。
以上、6種類のサイダーを飲んでみました。一度に6種類のサイダーを飲んだのは初めての経験で、それぞれ味わいに個性があり、同じ味わいのものがないことが新しい発見でした。
今回ご紹介したサイダーは、ナガノトレーディングが運営する「アンテナアメリカ」で購入することができます。気になった方は、ぜひアンテナアメリカでお試しください。
【イベントのお知らせ】「東京シードルコレクション」開催決定
この記事を読んで、サイダーに興味を持った方に朗報!いろいろなサイダーを試飲する機会があります。2019年7月21日(日)に東京ビックサイトにて、「東京シードルコレクション」が開催されます。日本や世界のサイダー60種類以上を試飲することができるイベントです。多様なサイダーの世界をぜひ覗き込んでみてください。
■イベント詳細・チケット購入
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/011rfs10aqy9z.html