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ビールの今がわかる!『教養としてのビール』でビールの広い世界を覗いてみよう





ビール女子の皆さん、こんにちは! ビールに関する本を見かけると、つい手に取ってしまうライターきのこです。最近読んだ本の中から、ぜひ、ビール女子の皆さんに読んで欲しいと思った本をご紹介します。

それは、『教養としてのビール 知的遊戯として楽しむためのガイドブック』(富江弘幸著、SBクリエイティブ株式会社)です!


 分かりやすい言葉遣いで読みやすいガイドブック



この本のタイトル『教養としてのビール』を見て、「少し難しそう」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、そんなことはありません!
なぜなら、基礎知識が系統立てて丁寧に説明されており、読み進めれば、内容をすっと理解できるから。そして、写真やイラストが多く掲載されているので、イメージが湧きやすい本になっています。

今まで知らなかったビールという世界へご案内



ビールといえば、白い泡がシュワシュワしていて、黄金色で透明で、キンキンに冷やしてゴクゴクと喉越しを楽しむものというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

この本では、このイメージに沿わないビールが他にも沢山あることを教えてくれます。ビールは多様性に富んだ飲み物であり、今まで知らなかったビールという世界の歩き方が紹介されています。

目次はこのようになっています。
第1章 「一番おいしいビールは?」に答えにくい理由
第2章 「クラフトビール」が何かは誰もわかっていない
第3章 これだけは知っておきたいビールの歴史と造り方
第4章 これだけは覚えておきたいビアスタイル
第5章 自分好みのビールを選ぶには
第6章 ビールをおいしく飲むためには
第7章 どんな料理でも必ず合うビールはある


気になるのは、第2章の「クラフトビール」が何かは誰もわかっていない」
最近、よく聞く「クラフトビール」という言葉。それが何かが誰もわからないとは、どういうことなんでしょうか?
それについては、文中で丁寧に説明されていますので、読んでみてくださいね。この章を読み終わった時、ビールファンの間でも意見が別れる「クラフトビール」という言葉の定義論争に、一つの答えが示されたと思いました。

【おすすめの章】自分の飲みたいビールを選べるようになるには




いろいろ飲んでみるけど、なかなか自分が好きな味に出会わない!
自分好みのビールがオーダーできるようになりたい!

このようなお悩みをお持ちの方に読んで欲しいのは第4章と第5章です。

150種類以上もあると言われているビアスタイルを全部覚えることは無理ですが、代表的なビアスタイルを知っていると、今、あなたが飲みたいビールを選ぶことできるようになります。

第4章では、代表的なビアスタイルの説明と、ビアスタイル名を見たらどんな味わいを想像するのかについて書かれています。例えば、「ピルスナーという言葉から想像できる味わい」は、「すっきりとしてシャープな味わいで、ホップの爽快な香りと苦味が特徴的」とあります。この箇所を見返すだけで、味わいが想像できますよね。

第5章では、ラベルの情報からビールの味を想像する方法自分ならではのビールの味わいの基準を作る方法が紹介されており、最終的に「自分好みのビールを選ぶ」ことができるようになっています。これらの章を読めば、ビールを頼むのに気負いしていた人も、思い通りにビールを選べるようになれるかもしれません!

著者の富江さんにいろいろとお聞きしました


なぜ「教養としてのビール」というタイトルにしたのですか?


富江さん


例えば、文学作品をたくさん読んでいたり、音楽や芸術について詳しかったりする人は、「教養がある」と言われることがあります。それもまた「教養」の意味のひとつだと思いますが、教養の目的は知識を増やすことではなく、物事を多角的な面から捉えて、あらゆる問題に対応できる能力を身につけることだと思っています。


なるほど。


富江さん


大学の一般教養はそういった能力の養成のためにあるのですが、そこに「ビール」の講義があってもいいのではないかと思ったのです。種類も楽しみ方も多様性のあるビールについて知ることが、物事を多角的な面から捉えるためのひとつの方法として使えるのではないか、ということです。


ビールの講義。おもしろいですね。


富江さん



例えば、ビールとバニラアイスが合うというのは、感覚的にはわかりにくいことかもしれませんが、スタウトのロースト感とバニラの甘みは合わせやすいという論理を提示すると、理解しやすくなります。ここから焦げと甘みは合うということが導けると、ビールとは関係ない料理でも応用できるのでは、という対応ができるようになるということです。

ビールで得た知識は、それ以外にも生かすことができる、ということを知ってもらいたいので、このタイトルを付けてみました。





どのような方にこの本を読んで欲しいですか?


富江さん


ビール好きの裾野を広げたいという思いがあるので、ビールについて少し興味が出てきたというような方に手にとってもらえるといいなと思っています。



この本には「多様性」という言葉がよく使われています。
富江さんが考える「最も面白いビールの多様性」とは、ずばり何でしょうか?


富江さん



「掛け算が永遠にできること」だと思っています。
原材料に何を使うかということだけでも、「麦芽の種類×ホップの種類×副原料の種類」で天文学的な可能性になると思うのですが、そこに、何度で飲むか、どれくらい寝かせるか、どんな料理と組み合わせるか、といった掛け算が永遠にできます。
「自由」と言い換えてもいいと思うのですが、「最も面白いビールの多様性」とはという質問に答えられないくらい自由だということが魅力なのではないでしょうか。


最後に、この本を読み終えた方に向けて、一言お願いします!


富江さん


基礎知識としてスタイルやペアリングの方法などを書いてはいますが、それはあくまでも方法論のひとつであって、これにとらわれずにビールを自由に楽しんでいただければと思っています。ビールイベントやお店で読者のみなさんと乾杯できるのを楽しみにしています!




ビールに関する基礎知識が分かりやすい言葉と文章で書かれている『教養としてのビール』。これを読めば、あなたが今まで知らなかったビールという世界の歩き方が分かります。

是非、手に取って読んでみてください。あなたにとってのビールの世界がより広がることは間違いありません。


~プロフィール~


富江 弘幸(とみえ ひろゆき)
1975年、東京生まれ。法政大学社会学部社会学科卒。卒業後は出版社、編集プロダクションでライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国・四川大学への留学などを経て、英字新聞社ジャパンタイムズに勤務。現在は、雑誌やウェブサイトでビール関連の記事を執筆するほか、ビアジャーナリストアカデミーの講師も務める。著書に『BEER CALENDAR』がある。(書籍著書紹介より)

Twitterアカウント:https://twitter.com/hiroyukitomie



教養としてのビール 知的遊戯として楽しむためのガイドブック


〇著者:富江弘幸
〇発行所:SBクリエイティブ株式会社
〇価格:1,000円(税抜)
〇発売日:2019年3月16日(土)
〇Amazon商品リンク:https://t.co/zLyhymAElG


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