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「“新築だけが全てでは無い”という、一石を投じるプロジェクトに」築40年を超える日比谷セントラルビルが来歴を活かしたリニューアル


東京都日比谷にある日比谷セントラルビルのリニューアル工事が完了し、19日にデザイナー山下泰樹氏とブックディレクター幅允孝氏によるトークイベントが行われました。このビルは1983年に建設され、オフィスビルとして様々な企業が入居しています。今回のリニューアルは、壊さずに生かすことをテーマに、新旧が融合した快適で上質な空間を目指しました。山下氏は、古さを個性と捉え、良い資材を活かしながら、スペイン産の淡いピンク色の花崗岩を外壁に用いる統一されたデザインを紹介しました。幅氏もこのプロジェクトを高く評価し、地場の歴史を大切にした設計を称賛しました。

東京都・内幸町にある「日比谷セントラルビル」のリニューアル工事が完成。19日、リニューアルを担当したデザイナー・建築家の山下泰樹氏とブックディレクターの幅允孝氏によるトークイベントが開催された。

1983年に建設された日比谷セントラルビルは、様々な企業がオフィスを構えるビルであり、4駅、12路線が利用可能という立地の良さも特徴の一つ。今回のリニューアルでも、新旧が融合した日比谷の街並みにとけ込む、快適かつ上質な空間を目指した。

山下氏は、“「壊す」から「生かす」”へをコンセプトに今回のデザインを思案。「日比谷近辺は今新築ラッシュなんですね。日本は木造建築が多かった背景から40年くらいで建て替えていく文化があるが、実際にビルは100年持ちます。ヨーロッパ等では、古いビルとも上手く共存しており、“新築だけが全てでは無い”という、一石を投じるプロジェクトにしたいと思いました」とコメント。

「(日比谷セントラルビルの)40年経っている佇まいは人によっては古く見えるかもしれないが、古さこそ個性。京都の街並みを“古いから嫌だ”と思う人はいませんよね」と続け、「良い資材を使っているのでそれを活かしながら、外壁にはスペイン産の淡いピンク色の花崗岩を使用してカラートーンを統一しています」と、外観のデザインについて解説。

共有スペースの内観については、「光によって影を作ることを意識していることと、モダンであり何年たっても温かみのある場所にしたいので、同じカラーでデザインや素材を変えることで奥行きを与えています」と話し、幅氏も「地場や来歴を汲み取っている素晴らしいプロジェクトだなと感じました」と称賛した。

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