3月13日、ビッグローブ株式会社と一般社団法人higocolo(以下、ヒゴカラ)は、熊本県玉名市高瀬にBIGLOBEイノベーションベース施設「タカセカラ」を開設。それに伴い、同日に施設のお披露目会を実施し、企業や住民が活用できる新たな学びと交流の場を目指していくことを発表した。

同イベントに出席したビッグローブ株式会社・取締役執行役員副社長・横山克也氏は、「日本のネットワーク拠点は主に大阪、東京が構えているなかで、九州にも良質なネットワークの環境を提供したいという考えから、去年の10月に福岡にネットワーク拠点を開設いたしました。そのご縁があって、イノベーションベースにも弊社の回線を提供することになりました」とコメント。DX推進やデジタル教育の発展、さらに地域活性化を後押しするために参画したといい、「九州の地方ビジネスである同プロジェクトが日本全国に展開する第一歩として、成功させていく助けになれば」と口にした。

さらに、玉名市市長の藏原隆浩氏は「デジタル技術の進化が著しい現代において、本市も企業のDX推進、市民のデジタルリテラシーの充実が大変重要である」としたうえで、「このインキュベーション施設として開設された『タカセカラ』は、まさに市内企業のDX推進とデジタル教育の充実に大きく貢献すると確信している」と熱弁。さらに、「企業様はデジタル技術を活用した経営革新の場として、市民の皆様にも未来の可能性を切り開く場所として活用されることを、心から願っております」と期待を語った。

施設の概要説明を担当したヒゴカラ代表理事・上平健太氏は「高瀬地域は、この隣に流れている菊地川を使って海外貿易をしていたことから、いろんなものを積み出して人、物、情報が集まる中心地となって発展していた。高瀬商店街の真ん中に位置する場所にあるので、この高瀬商店街全体を面白くしていくような場所にしたい」と構想を述べた。
その背景として少子高齢化を挙げて、「人口流出により、選択肢が減り、生きづらさが増す現状こそが本質的な課題」だと話す上平氏。続けて「例えば、部活動でバスケやラグビーなどいろんな選択肢がある中で、人が減ると、その人材、指導者が減り、選択肢がなくなっていく」と見解を示した。
この課題に対応するため「タカセカラ」は、地域住民と連携をしながら、選択肢を広げることを最重要コンセプトに掲げたと力説。この施設のデザインやコンセプト設計は熊本大学の学生と共に考案し、施工を行ったといい、「選択肢のある地域を共創し世界一の人材が育つ場所にしたい」と目標を掲げた
コワーキングスペースとしての使用や、地域住民との交流を大切にするための交流会、BIGLOBEのネット回線の開設予定もあることから「快適なインターネット環境を整え、子ども向けのインターネット教室を開設する計画も進んでいる」とのこと。加えて、AIを活用した画像や音楽の制作体験を提供し、さらにインターネットを活用して海外の人々ともつながることで、魅力的な人材が集まる拠点に。そして海外貿易港で世界中の人が集まっていた玉名だからこそ、「次の玉名をどう作っていくのかを考え、高瀬の魅力を『タカセカラ』を通じて世界に発信し、高瀬だからこそ選ばれる拠点にしたい」と展望を述べた。

同日に開設はしたものの改修工事はまだ進行中だが「過去×未来」「人×人」「高瀬×世界」という3つのキーワードをもとに、今後はタイル張りのキッチンや、移動式の畳など建築学科の学生のアイデアを随所に取り入れた空間へと仕上げていく予定だ。なお、グランドオープンは4月中旬を予定している。