ニチコン株式会社は13日、トライブリッド蓄電システム「ESS-T5/T6シリーズ」を発表した。商品ラインナップはトライブリッドパワコン、V2Hポッド、V2Hスタンド、蓄電池ユニットとなる。
発表会にはニチコン株式会社代表取締役の森克彦氏、執行役員事業本部の桃井恒浩氏、蓄電システムビジネスユニット長の戸成秀道氏、ファイナンシャルプランナーの飯村久美氏が登壇。
ニチコン株式会社はエネルギーソリューション事業を展開しており、蓄電システムからEV(電気自動車)関連機器まで幅広く取り扱う企業。家庭用蓄電システムは累計販売台数20万台以上と、業界No.1の実績を誇る。
「ESS-T5/T6シリーズ」発表の背景には、電気代高騰や2050年のカーボンニュートラルがあるとのこと。また、地球にやさしい再生エネルギーを最大の電源とする目標を掲げ、新ブランドコピー「くらしに、エネパ!」を採用した。
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今回発表された「ESS-T5/T6シリーズ」は、トライブリッド蓄電システムを採用している。トライブリッド蓄電システムとは、太陽光発電、蓄電池、EV電池の3つのエネルギーをコントロールできる業界初のシステムのこと。
トライブリッドのメリットは、家産家消のくらしが実現できる点にある。家産家消とは、昼間に自宅の太陽光発電をEV電池に充電することで、夜や天候が悪い日にも家電や車に使用できるくらしのことだ。また、太陽光発電でEVを充電できるため、地球に優しく電気代やガソリン代を節約できる。さらに、災害時に自宅が停電しても、蓄電池と大容量EVでいつもと変わらない生活を送れるとのこと。
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さらに「エネパ思考によるくらしの最適解」というテーマでトークセッションが行われた。飯村氏の「EVはどのくらい走れるのか」という問いに、戸成氏は「EVが走れる距離というのはEVに積んでいる蓄電池の容量で決まってきますが、日本人の平均的な車の通勤距離は片道約10km、往復で20km。1週間土日も買い物とかで使うと、140km走りますね。 V2Hは普通充電と違って6kWの充電が可能ですので、晴れている日に3時間ほど充電すれば、平均的な通勤距離であれば1週間持つという計算です」と回答。
続いて、年間でいくらぐらいお得になるかについて、桃井氏は「普通のご家庭では、年間の電気代が約20万円、ガソリン代が約7〜8万円かかります。しかしガソリン車をEVに変えると、ガソリン代の3分の1ぐらい、2〜3万円で使用可能です。この2〜3万円も太陽光で発電した電力を使えば、ほぼ0になります。また、電気代をEV充電からまかなえば電気代の20万円もほぼ0に近いと。これは非常に大きなメリットだと思います」とコメントした。
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トライブリッドと一般的な蓄電システムとの違いについて、戸成氏は「今までの蓄電システムは単機能で、 家電製品も特定のものしか使えませんでした。しかし後に出てきたハイブリッドは、太陽光発電と蓄電システムが一体化したものです。さらに蓄電池だけでなくEVにも活用する必要を感じ、トライブリッドを導入しました」と話した。
最後に、蓄電池のメリットについて、桃井氏は「蓄電池は7.4kWhであれば約14時間、14.9kWhであれば29時間フル充電でそれだけ持ちます。電気の使用量が少ないご家庭では蓄電池は6〜7kWh、よく電気を使われるところでも12kWhあれば十分まかなえるでしょう。最近は長期化する災害が多いですが、EVの蓄電池も使えれば約3日間、太陽光があればかなり長い長期間の停電であっても普段と同じような生活を送れますよ」とまとめる。
また「ESS-T5/T6シリーズ」はビッグサイトで行われる第17回 国際 スマートグリッド展にて、2月19日〜21日まで展示される。
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