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湧き水を使った「流しそうめん」で93人カンピロバクター食中毒 業者は水質検査をせず営業 石川県は利用客約500人を健康調査中


石川県は、「大滝観光流しそうめん」がお盆期間に提供した、湧き水を使った流しそうめんが原因で、これまでに93人が食中毒症状を訴えていると発表。

トレンドニュースキャスター取材班は、県の薬事衛生課から詳しい話を聞いた。

提供業者は営業停止処分

石川県によると、「大滝観光流しそうめん」で、8月11日と12日に食事をした複数の利用客から、腹痛・下痢・発熱などの症状が出たとの訴えがあった。

また、今のところ計93人の食中毒患者が確認されている。

県が調査したところ、流しそうめんに使用する湧き水から、食中毒の原因となるカンピロバクターを検出。

そのため、県はこの業者を3日間の営業停止処分とした。

なお、処分を受けた業者は、今年の営業を終了している。

水質検査を行わず営業

「大滝観光流しそうめん」は、ホームページ上で「営業を行うにあたり、年に一度以上実施すべきである水質検査を7月中旬に発生した線状降水帯による被害の影響から、営業開始前に行わなかったことが今回の事態を招いてしまった」と公表。

この業者が毎年検査を実施しているのかについて、県の担当者は「営業許可を取るときには実施しているが、それ以降についてはわからない」と話した。

なお、県は「大滝観光流しそうめん」を利用した人に、最寄りの保健所に相談するよう呼びかけており、同時に利用客約500人の健康調査も進めている。

まれに呼吸困難を起こす場合も

カンピロバクター食中毒は、カンピロバクター属菌によって引き起こされる食中毒。

カンピロバクター食中毒の症状は、下痢、腹痛、発熱などで、多くの場合、1週間ほどで治癒する。

まれに感染した数週間後に、「ギラン・バレー症候群」と呼ばれる手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす場合がある。

(画像:カンピロバクター 提供:東京都健康安全研究センター)

なお、カンピロバクター食中毒の原因となる食品としては、生の状態や加熱不足の鶏肉が挙げられる。

また、調理中の取扱い不備による二次汚染も原因となる。

カンピロバクター食中毒を予防するためには、鶏肉は中心部までしっかりと加熱。

さらに、調理器具や調理する人の手は常に衛生的に保ち、しっかりと乾燥させることが大事だ。

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