暑い夏には、花火大会や山遊びなど、屋外レジャーがつきもの。
しかし、激しい症状が現れることがある「虫アレルギー」には要注意だ。
今回は、虫アレルギーとはどのようなものか、そしてその予防法について解説する。
「かゆい」はアレルギー反応
虫に刺された場合、痛みとかゆみを感じる。
痛みは、虫の針が侵入してくることと、針から注入される成分が原因。
その一方でかゆみは、虫の唾液や、注入される成分に対するアレルギー反応だ。
2種類のアレルギー反応
実はアレルギー反応は、2種類ある。
1つ目は、虫に刺されてからすぐにかゆみが出たり、赤く腫れるタイプ。
2つ目は、刺された直後は何も症状は起きない。
しかし翌日頃から、かゆみや赤み、腫れが出てくるのだ。
この2種類のアレルギー反応は、年齢によって発症しやすさが異なる。
幼い頃は、遅いタイプのアレルギー反応が多い。
そして大人になるにつれて、すぐ反応するタイプに変わっていく。
強烈なアレルギー症状
虫の成分に対してアレルギーがあると、場合によっては命に関わることもある。
アレルギー反応が強く出すぎると、かゆみや赤みだけではすまない。
全身に蕁麻疹が現れ、息がしにくくなり、血圧が下がって意識が消失することさえあるのだ。
この状態は医療用語で、アナフィラキシーショックと呼ばれ、速やかに治療を開始しないと命が危ない状態。
虫に刺された後、すぐにアナフィラキシーショックになる方もいる。
その一方で、翌日などしばらく時間が経過してから、致命的な症状が出ることもあるのだ。
いずれの場合でも、少しでも呼吸苦やふらつきなどがある際は、速やかに病院を受診して欲しい。
肌の露出を少なく
強いアレルギー症状に気づくことは大切。
しかし、そもそも虫に刺されないように注意することも重要だ。
そのためには、肌の露出が少ない衣類を着て虫除けスプレーも使うようにしよう。
そして、首にタオルを巻く、帽子やサングラスを身につけるなども有効な手段。
やや暑いかもしれないが、身を守るために必要な対策だ。
部屋の中では、ダニやノミに噛まれないように、こまめに掃除やゴミ捨てをするのもおすすめ。
十分に対策した上で、楽しい夏を過ごして欲しい。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。