医師には、多くの専門科がある。
大きく分ければ、内科や外科、皮膚科、耳鼻科、麻酔科などがある。
他にも細かな専門科をあげると、10〜15もの診療科がある。
その診療科ごとに働き方が異なるが、給与面についての問題点について解説する。
9〜17時勤務の診療科
数ある診療科の中には、基本的に定時で始まり、定時で終わる科がある。
もちろん診療時間中は多忙ではあるが、オンオフがはっきりしている科もあるのだ。
例えば、大きな病院であっても、麻酔科や救急診療科などは、基本的に入院患者を担当しない。
麻酔科は、手術する人の麻酔をかけるのがメインの仕事だ。
そして救急診療科は、救急外来を受診する人を診察するのが主な職務なのだ。
また、皮膚科なども入院患者は少ない。
このような科は、時間外に入院患者などの相談事で呼ばれる心配が少ないため、残業が少ない。
定時には終わらない診療科
定時勤務の診療科とは違って、基本的に「残業が当たり前」の診療科もある。
例えば、外科系であれば、内科系とは違って手術業務がある。
そして手術は長いものであれば、6時間以上かかる手術もある。
その間はもちろん入院患者などの対応はできないため、手術が終わってから仕事をすることになる。
つまり、17時を過ぎてから入院患者の対応をするケースも多いのだ。
また、入院患者が急変したり、発熱などの新たなトラブルがあったりすると、24時間365日関係なく病院から問い合わせや報告の電話がかかってくる。
必要ならば、休みの日でも病院に出勤して対応するのだ。
つまり、ほぼプライベートの休みはない。
どの診療科でも給与は同じ
問題点となるのは、どの診療科であっても基本的には「給与は同じ」ということだ。
多少は残業代などの差はあるかもしれないが、大雑把に言えばほぼ同額の給料をもらうことになる。
朝早く仕事場にきて夜遅く帰る科と、定時に出勤・帰宅する科と同じ給与というのに不満を抱いている医師も多い。
労働時間がかなり違うのに、待遇が同じというのはいささかおかしい話だ。
それが影響して、忙しい科になる医師数が減っているという報告もある。
一刻も早い是正を望むばかりだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。