
4度アカデミー賞の司会を務めたことでも知られるトークショーの人気司会者ジミー・キンメルが、イタリア国籍を取得したことを明かし、将来的にアメリカを脱出する可能性を示唆して話題を呼んでいます。トランプ米大統領の再選後、多くの著名人が国外脱出を図る中、反トランプ派として知られるキンメルもこの流れに乗るのか注目されています。
コメディアンのサラ・シルバーマンのポッドキャストに出演したキンメルは、「知り合いの多くが、どこで国籍を取得しようかと考えている」と話を振られると、「今の(アメリカの)状況は、想像していたよりもひどいが、実際にはもっと深刻だ。信じられない」と話し、自身もルーツのあるイタリアの国籍を取得したことを明かしました。
トランプ大統領はこのところ、自身に批判的なトーク番組の司会者たちを狙い撃ちしており、CBSはトランプ大統領を批判して笑いのネタしているコメディアンのスティーブン・コルベアが司会を務める「ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア」の打ち切りを発表。「コルベアがクビになってとても嬉しい」とトランプ大統領は自身のSNSに投稿し、「次はジミー・キンメルになるだろう」と発言しており、キンメルのイタリア国籍取得もこうした政治的状況が要因の一つであると見られています。一方、現時点で実際に移住の予定があるのかどうかは明らかにしていません。
トランプ大統領が再選を果たした昨年11月以降、アメリカを離れるセレブが増えていますが、その動きはさらに加速しています。
女優兼コメディアンのロージー・オドネルも、再選を機にアイルランドへ移住した一人です。オドネルはトランプ大統領とは犬猿の仲として知られ、最近もSNSでバトルを繰り広げたばかり。祖父母の母国であるアイルランドに移住を決めたオドネルに対し、トランプ大統領は「彼女は人類の脅威。もし素晴らしい国アイルランドが望むなら、そこにとどまるべきだ」とSNSに投稿。オドネルも、「彼は犯罪者で、詐欺師で性的虐待を働く嘘つき」だと反論し、自分の利益のために国を傷つけようとしているなどと批判しています。
コメディアンで司会者のエレン・デジェネレスは、トランプ大統領の再選を受けてすぐに同性婚の相手とともにイギリスへの移住を決断。大統領選が行われる前にコッツウォルズに邸宅を購入し、当選が決まると同時に移住する素早い行動で話題を呼びました。
リチャード・ギアは、2018年に再婚した3番目の妻アレハンドラ・シルバさんと2人の息子たちと共にシルバさんの母国スペイン・マドリードに移住。コネチカット州の自宅を売却し、今後数年はマドリードで暮らす意向を示しています。
映画「バービー」(23年)でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたアメリカ・フェレ-ラは、支持していた民主党の大統領候補だったハリス前副大統領が落選したあと選挙結果に失望して家族でイギリスに移住したと伝えられています。ホンジュラスからの移民を両親を持つフェレ-ラは、ラテン系アメリカ人や女性の権利擁護の活動を行っていることでも知られ、両国間を行ったり来たりの生活をしていると伝えられています。
ニコール・キッドマンも最近、ポルトガルへの移住計画を進めていることが明らかになっています。同国の移民当局に居住許可の申請書を提出したと現地メディアが伝えており、現地入りして住居探しをする様子がキャッチされています。政治的な背景が理由かどうかは分かっていませんが、トランプ政権への不満が原因の可能性が取り沙汰されています。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)