
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
THE RAMPAGE武知海青が7月13日、DDTプロレス入団後初の試合に出場した。記者は後楽園ホールで取材する機会に恵まれ、人生で初めてプロレスを観戦した。
パフォーマーとプロレスラーの“ハイブリッドプレーヤー”としての初戦に、多くのTHE RAMPAGEファンも集まった。後楽園ホールの前ではグッズのフラッグや武知のアクリルスタンドを手にしたファンの姿を多く目撃した。この試合がプロレスデビューというわけではないが、一見敷居の高そうなプロレス観戦に相当な人数の自身のファンを集められるすごさを、試合開始前から目の当たりにした。
試合では、“LDH最強”の呼び声高い鋼の肉体から、力強い技を何度も披露し、会場を沸かせていた。もちろん相手に技を決めるだけではなく、攻撃も容赦なく浴びた。相手の“カリスマ”佐々木大輔からパイプ椅子を投げつけられれば、客席に向かって投げつけられるなど、中盤からは相手から徹底的に狙われ、集中攻撃を受けた。
観戦に訪れた武知のファンからは悲鳴のような声が漏れていた。武知は正式にDDTに入団し、ゲストではなくなった。あまりの迫力に記者も言葉を失いかけた。
その後も何度も佐々木らから顔を踏まれ、パイプ椅子でたたかれ、容赦なく攻撃を受けた。もちろん悲鳴も聞こえてきたが、試合が進むと、攻撃を浴びた際に武知ファンからも歓声が上がるようになった。不思議な光景だったが、武知の目や戦う姿勢が、ファンにプロレスの魅力を一瞬で示したような気がした。
入団会見の際に話していた「プロレスを盛り上げたい」や「不安をはねのけたい」という言葉を体現していてるようで、DDTファンも武知のファンも心をつかまれたのだろう。むしろ武知のファンも攻撃を浴びる姿を喜んで見ていたようで、序盤と最終盤で会場の空気がまったく異なり、それが試合の面白さを増幅させていた。そして弱るシーンもあった分、反撃するシーンや飛び技が一層勇敢に映った。
試合後。浴びた攻撃について「痛かった。むかつきました」と真顔で言いつつ、「勉強のつもりでいろんな攻撃を受けたかったので、なんでも来いと思っていました。予想以上の攻撃が来て楽しかったです。明日にでも試合がしたい」と明かしつつ、DDTに本格参戦した実感をかみしめていた。
記者は初めてのプロレス観戦となったが、観客と選手が一体となって試合を盛り上げ、空間を作り上げる文化が非常に印象深かった。プロレスの魅力をしっかりと受け取り、11月3日に両国国技館で開催する次戦がさらに楽しみになった。【野見山拓樹】