
心変わりさせちゃいます。日本ハムのドラフト1位柴田獅子投手(19)が、26日ロッテ戦(エスコンフィールド)でデビューする。25日は同球場で11球のブルペン投球を行った。新庄剛志監督(53)は3~4回、40球前後を目途としているが、柴田は「いい投球をすれば長く投げられるかも」と“想定超え”を狙うとともに、打撃の準備も思い描いた。
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柴田がデビューに向け気持ちを整えた。前日練習では1軍でのサインプレーにも初参加。「元々緊張しない」強心臓も、「急にサインプレーが入って、緊張しました。今日緊張した分、明日はリラックスしてできるかも」と前向きに捉えた。
新庄監督は40球前後を想定しているが、そのリミットに甘んじるつもりはない。「もちろん長く投げるつもりではいます。いい投球をすれば長く投げられるかもしれない」と見据える。さらに、投打二刀流で奮闘するドラ1ルーキーは、「行けと言われたら、準備していけるようにしたい」と打席でのデビューも思い描く。継投などの都合で「打たせたいんだけど、まず投手だけ」と“我慢”している新庄監督も、快投すれば心変わりする!? かもしれない。
背番号31を背負う。新庄監督の1、清宮幸の21、稲葉2軍監督が現役時代に背負った41と、チームをけん引する「1の系譜」を引き継ぐ、次代のエース候補。描くビジョンとして「完封完投で安定したピッチングを毎登板できるような投手になりたい。将来はダルビッシュさんや大谷さんが付けた11を付けてみたい」。この日ブルペンで投じたのは、直球、スライダー、フォークで、くしくも計11球。レジェンド背番号を目指す大事な一歩を、両先輩の壁画が見下ろすエスコンフィールドのマウンドで踏み出す。
4月の2軍デビュー戦は1回3者連続三振とド派手な内容だった。食事とトレーニングで8キロ増量し、95キロと筋力もついた夏。20日のフレッシュ球宴では自己最速154キロをマークしたばかりだ。「ここまでマックスが上がるとは思ってなかった。球速の面では順調」。試練を与えて能力を試す事を「獅子の子落とし」と言う。北の獅子は、後半戦開幕という重圧を力に変え、“おまけ”も狙う。【永野高輔】