
俳優岸谷五朗(60)が8日、都内でアトピー性皮膚炎について専門医とトークセッションを行った。
日本イーライリリー株式会社が実施した、「アトピー性皮膚炎に関する最新情報~中等症以上の患者さんの治療実態を調査結果から読み解く~」と題したメディアセミナーに登壇。幼少期に発症し、現在もアトピーを治療中という岸谷は「本当に物心ついたころ頃かゆみに悩まされ、肌も全身ボロボロだったんです」と経験を明かした。
幼稚園児の時、フォークダンスの時間は「女の子と手をつなぐと、必ず女の子があっ、てなるくらい手がカサカサしていて。フォークダンスなんてなくなってしまえと思っていた」と回顧。かゆみに耐えられず、かきむしった結果、寝て起きるとTシャツだけでなくシーツまで血がついていたという。
高校生になると、かかないように「ベッドの上の部分に腕を縛り付けて寝てました」。19歳で劇団に入り、特殊な舞台メークや稽古の汗で症状がさらに悪化した。「20代が一番ひどくて、かきすぎて眉毛もなくなって、髪の毛の上のほうまでかいて髪もなくなっちゃう。舞台俳優という仕事においてもかなりアトピーには悩まされましたね」。
60年近くアトピーと付き合い「どういう症状でどういう時につらいのか、己を知ること。自分に合った方法を知ることが大事ですね」と力説。自身は夏場の舞台稽古などは何枚も替えのTシャツを持ち歩くといい「汗をかいたらすぐ着替える。なるべく早くシャワーを浴びる、というのが僕には合っている」と明かした。
国内に160・9万人いると推計されるアトピー性皮膚炎の患者は、日常に支障をきたすほど強い持続的なかゆみに悩まされることが少なくない。近年は新たな治療薬が登場し、生活の質の改善が期待できるようになっている。岸谷は「同じように苦しんでいる人がたくさんいる。みんなで励まし合いながら頑張っていけたらいいねと思いました」と話した。