
元放送作家で「スタートアップファクトリー」代表の起業家鈴木おさむ氏(53)が、14日放送のカンテレ「ドっとコネクト」(土曜午前11時20分、正午=関西地区)に出演。親交のある元宮城野親方の白鵬翔さんが、日本相撲協会を退職したことについて言及した。
白鵬さんは9日に行った会見で、日本相撲協会を退職して新たな夢に向かうことを報告。この決断の背景には、白鵬さんと協会との「ズレ」があるとも言われている。
鈴木氏は、白鵬さんとの親交が深く、「(3月の)大阪場所が終わってから、白鵬さんと仲のいい人から電話がかかってきて、『結構、もう気持ちがそう(退職に)なってる』って。3月末かな? 電話したんですけど、その時にはもう(退職の)気持ちが強くて。非常に残念な思いと、寂しい思い」と振り返った。
白鵬さんからは「弟子をかわいがってあげて」と言われていたことも明かし、飲食に連れて行ったり、浴衣を作成したりと支援していたことにも触れた。
「彼ら(宮城野部屋の弟子たち)は、いつか戻れると思っているわけじゃないですか。だって白鵬の弟子なんだから。親がいなくなっちゃうわけですから、残る弟子の気持ちもまず思ったし…。だけど、そう決断しなきゃいけなくなるまで追い込まれた白鵬。その状況を作った…相撲協会も含めてですけど。そこが非常にかわいそう」と続けた。
また、白鵬さんについて「確かに、現役時代に結構スタンドプレーというか、いろんな行為が注意されたじゃないですか。ただ彼は、本当に相撲が好きで、相撲を愛しているというのもあったんですけど。あと、勝ちにこだわる。そこが横綱の品格って問題で、結構たたかれた部分も大変あります。相撲協会からしたら、横綱時代は正直言いたくても言えなかったところもいっぱいあると思います」とも。
続けて、「相撲のすごいなと思うところは、辞めて親方になると、全員…たとえば元十両からなったとしても、横綱からなった人でも、みんなフラットになるんですよ。シンプルっちゃシンプルなんですけど、選挙の時もみんなが同じ1票だし…とかってなってくると、そこが…嫉妬している人もいるだろうし。現役時代、横綱時代に良かれと思ってやっていたけど、困った人もいっぱいいるわけですよ。そういう思いがブーメランのように返ってくる事もあるのかなっていうのは、正直、僕は思いますけどね」と話した。
ただ、「(白鵬さんと)知り合いになって、(当時は)国技館も半分も埋まってなかったんですよ。その時に『おさむさん、俺相撲を盛り上げるためになんでもやるから』って大食い番組に出てくれたりとか。今までやらなかったですよ、そんなこと」と、白鵬さんが相撲を盛り上げようと努力していたことにも言及。
鈴木氏もプロデュースに携わっていた、東京・両国国技館で開催される少年相撲大会「白鵬杯」について、「全国から来る子どもたちの交通費と宿泊費、タダなんですよ。かつ両国国技館で相撲を取れるんですよ。めっちゃ盛り上がるのが、団体戦があるんですよ。5対5の団体戦があって、それがめちゃくちゃ盛り上がったりとか、相撲の新しい可能性をすごい見せてくれていた」と語った。
この大会で、鈴木氏が表彰状を読み上げた少年が「ほとんど相撲界にいて。子どもたちからしたら、両国で小学校の時に相撲が取れるっていうことが、やっぱり相撲を愛する大きなきっかけになるよって言ってたんですよ、ずっと」と功績を強調した。
そんな中で、宮城野部屋の再開時期が見えなかったことに「心が折れたのは本当だと思います。何月まで、何月までって言って、それを期待していったけど、今度もあと何カ月って言ってるけど、本当かよって思う訳ですよね。その中で、自分の相撲への愛を消したくないからこうなっちゃったのかなって」と語っていた。