
演歌歌手田中あいみ(24)の新曲「NAZO」が14日に配信リリースされる。木梨憲武(63)がプロデュースし、所ジョージ(70)が作詞作曲を手がけた軽快なポップス曲。人間心理のなぞと真実に迫るストーリー展開の歌詞で2人ともコーラス参加もしている。
このほど、3人が都内で取材に応じた。
歌詞に「真実はいつもひとつ」とある。「名探偵コナン」の主人公・江戸川コナンの決めぜりふとして知られるワードだが、何か関係があるのだろうか。
所 頼まれてもいないのに、最初は「コナンのテーマ曲」が頭にあって作り出したわけ。でも、田中君にこの曲を歌ってもらったら、すごく良くて、もうコナンは全然関係なくなっちゃった。この歌自体が独立して、こっちだけでいいじゃんって今はなっている。
木梨 レコーディングスタジオでいつも練習をしたりして、田中あいみにこの曲を「ちょっとキーを変えて歌ってみたら」と言ったら見事に強いボーカルで歌ったんです。
所 田中君は「それを歌いたい」と食い付いてくるからいいんだよね。
田中 何でもやります。何事もチャレンジですから。
所 器用で覚えるのも早い。「NAZO」もうまいこと歌うんだよね。
ミュージックビデオ(MV)には所と木梨も参加。所は友人のTHE ALFEE高見沢俊彦からギターを借りて出演し、木梨は「西部警察」の大門圭介刑事のようにサングラスに黒いロングコートでショットガンを手に持っている。
所 実はギターを弾いているうちに袖がひっかかって本体がポキッと折れちゃったの。MVでラッパ(奏者)などみんなが前に出ている時に、私が体を揺すっているのは「ぶつかんじゃねーよ」と、ギターの保護のために動いているんですよ。
木梨 尊敬する大門さん。でも、歌っている途中でアルフィーの(サングラスをしている)桜井(賢)さんとダブりました。
所 それよりも、一番大事なポイントは、今年は田中あいみに紅白歌合戦に行ってほしいことなの。
木梨 狙いますよ。
昨年は新浜レオン(29)が「全てあげよう」で念願だった紅白初出場を遂げた。同曲は「NAZO」と同じく、木梨がプロデュースし所が作詞作曲を手がけた。所は同曲で日本レコード大賞の作曲賞も初受賞している。
木梨 昨年の紅白は曲のサビから出演しました。でも、今年は最初から板付きでいきます。ただ、我々はNHKさんから発注がない限り行けないんですよ。
新浜には、曲そのもののほかに、自身をアピールする「膝スラ」という強力な“武器”となるパフォーマンスもあった。
所 分かった。田中君にも「膝スラ」をさせましょう。もし難しければ前回りをさせましょう。
田中 えええ~!?
MVでは木梨と田中が手品、所は体が折れるマジックを披露。紅白でも何かやるのだろうか。
木梨 分かりました。すごいマジックショーをやりましょう。
所 あんなもんじゃないよ。バックで(中国の伝統芸能の1つ)変面を踊らせましょう。こうなったらいろんな人を呼びます。
木梨 いいですね。田中あいみが消えたり、違うところから出てきたり。その映像がもう見えてきました。
田中は歌手としての目標が紅白出場。「田中あいみ」としてはスーパースターになることだと公言している。目標に1歩1歩近づいているようだ。
田中 そうですね。この曲で、これまでとは違う扉を開いて、違う引き出しができています。今年は2人の船に乗っかって、紅白という夢を追いかけて頑張りたいと思います。
所 田中君は歌が上手だから聞いていてほっとする。そして本当に頑張っているし、歌が好きなんだってことが伝わってくるんです。
木梨 14日に「NAZO」が配信されて、多くの人が「いいね、この曲」ってなって歌番組にも沢山出るといいよね。
新浜は今年4月にCD「Fun! Fun! Fun!/炎のKiss」を発売しているが、「炎-」は木梨がプロデュースで所が作詞作曲。「Fun-」は4月からテレビアニメ「コナン」の新エンディングテーマ曲だ。
所 もし、田中君が紅白に出て、来年にすごく忙しくなったら僕らは次の人を応援するようになるからね。
木梨 歌手の人たちからの問い合わせがすごく多いんですよ。ただ、PVには2人がもれなくついてきますから。
所 面白いね~。
所も木梨も昨年に田中とデュエット曲を発売。そこで田中の爆発的な歌唱力や歌への真摯(しんし)な姿勢、人懐こい人柄にほれ込んだ。今回、「NAZO」を通じて全力でバックアップをするのは決して謎ではなく、しっかりとした理由がある。【取材・構成=松本久】
◆田中(たなか)あいみ 2000年(平12)7月26日、京都市出身。京都先端科学大卒。19年に日本クラウン新人オーディションでグランプリ獲得。21年11月に「孤独の歌姫」でデビュー。22年に「大阪ロンリネス」で日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。趣味はネイル。好きな言葉は「Let it be」。155センチ。血液型B。