
フランスで開催中の第78回カンヌ映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に出品された「8番出口」(川村元気監督、8月29日公開)に主演の嵐・二宮和也(41)と初共演の小松菜奈(29)が、公式上映から一夜明けた19日、フォトコールに参加し、日本メディアの囲み取材に応じた。
「8番出口」は、全世界累計170万ダウンロードを突破した、インディーゲームクリエーターKOTAKE CREATE氏制作の無限ループゲームの実写化作品。脚本は川村元気監督(46)と、22年の映画「宮松と山下」を手がけた監督集団「5月」の平瀬謙太朗氏(39)が共同で手がけたが、実は二宮も脚本協力としても今作に参加していたことを明かした。
メイン会場のグラン・リュミエールで行われた公式上映は、2300席のチケットが完売となり上映後、観客はスタンディングオベーションで大歓声を送った。公式上映を見た観客からは「ゲームをうまく映画化していて、新ジャンル系の地位を全世界で確立すると思う」「実際に通路に迷い込み、抜け出せなくなるような印象を観客に抱かせていた」「観客も一緒になって異変を探すような、映画を受動から能動の体験へと変えていた」といった反応があった。二宮は「『楽しかった』と言ってもらえるのが一番うれしいですし、それが本質であってほしいと思います。もう1回、見たいとか、あのシーンを見直したいとか、ストレートに感想を言ってもらえるように、脚本作りから携わりました」と、脚本作りに参加した狙いを語った。
初参加したカンヌ映画祭の公式行事を無事に終えた感想は? と聞かれると「無事にカンヌで上映できた喜びと、その喜びが観客の皆さんの評価に直結して良かったです。カンヌ映画祭に正式招待されてから本日まで、いい思い出になったので、ほっとしています」と語った。小松は「深夜上映なのに2300人もの観客の皆さんが歓迎してくださり、楽しみに待っていてくれたのだなといううれしい気持ちと、やはりカンヌ映画祭という場で初上映することに、チームみんなで喜びを分かち合えた素晴らしい時間でした」と喜びをかみしめた。
8分間も続いた感動のスタンディングオベーションについて聞かれると、二宮は「日本でも、なかなか経験のできないことを海外で起こせたというのは『8番出口』のもつ影響力。川村監督や平瀬さんをはじめ、スタッフの方たちが楽しそうにしていたのを見られたのは良かったです」と笑みを浮かべた。小松は「本当に感動しました。やはり今回、チームのみなさんと一緒に現地の反応が聞けるのは貴重な経験ですし、どのような反応が返ってくるのか気になっていましたが、観客の皆さんは真剣に見てくれていたので、心にぐっとくるものがありました」と振り返った。
「8番出口」は、主演の二宮が無限ループする地下通路で異変を探し、8番出口を求めて迷う男という名もなき役を演じる極めて異例の作品だが、小松が演じる役も役名はなく、役柄など詳細は一切不明ながら、既にアジア、ヨーロッパなど20以上の国と地域での上映が決定している。