
英王室を離脱したヘンリー王子(40)が、兄ウィリアム皇太子(42)が国王に即位した際に戴冠式に招かれない可能性が浮上している。米ニューヨーク・ポスト紙が情報筋の話として報じたもので、2人の間の確執は深刻で兄弟はこの2年間口をきいておらず、ヘンリー王子が戴冠式に出席しないどころか、皇太子が招待すらしないかもしれないと伝えている。
特にヘンリー王子が先日、英BBCのインタビューで英国滞在時の警護を巡る裁判で敗訴したことを受けて父チャールズ国王が自分と口をきいてくれないと暴露した影響は大きく、「もう終わりだと思う。引き返せないだろう」と情報筋は語っている。ヘンリー王子はインタビューで、国王があとどれほど生きられるか分からないとも話し、余命に言及したことでも物議を醸した。
インタビューで王子は、「これ以上争い続ける意味はない。命は尊い」と話して家族との和解を望んでいることを明かしたが、すでに時遅しとみる声も多い。インタビュー前は、ウィリアム皇太子に対して「弟に手を差し伸べてやってくれ」と思っていたという関係者も、今となっては「ヘンリー王子は何も学んでいないようだ」とあきれているという。
作家で英王室と親しい関係のヒューゴ・ヴィッカーズ氏は、同紙に対して「理論的には、ウィリアム皇太子は弟を戴冠式に招待すべき」と語っている。一方で、多くの議論を呼んだ離婚歴のある米国人女性と結婚するため退位したエドワード8世が1953年に行われためいであるエリザベス女王の戴冠式に招待されなかったことに言及し、「率直に言って、皇太子は好きにすればいい。決まり事ではない」と本音も吐露。2023年の国王の戴冠式には単身で出席した王子が、兄の戴冠式に招待されるのか早くも議論が巻き起こっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)