
フジ・メディア・ホールディングス(FMH)とフジテレビは30日、中居正広氏の元女性社員への性暴力に端を発する一連の問題を受けた改革施策を発表した。
「フジテレビの再生・改革に向けた8つの具体的強化策及び進捗(しんちょく)状況」とし、公式サイトに文書を掲載。中居氏の性暴力が認定されるなどした、3月末公表の第三者委員会の調査結果を受け「大変厳しい指摘ばかりでした。特に、『CX(フジテレビ)においては、全社的にハラスメント被害がまん延していた』との評価は、フジテレビ社員1人1人の胸に深く刻まれる非常に重く厳しいご指摘でした」とつづり「フジテレビでは、組織として何が間違っていたのかを全社をあげて考えるため、あらゆるレベルの役職員の会議体、取締役会の場で議論を行って参りました。そして、ハラスメントの問題に限らず、当社を取り巻くあらゆる人権リスクに対して、真摯(しんし)に向き合い、ステークホルダーの皆さまに、不断の努力を通じて、変わっていくフジテレビの姿、改革の道筋を、透明性をもって開示し、皆さまの声を聞きながら、さらに改革を進めて参ります」とした。
具体的な8つの改革案は以下の通り。
<1>人権ファーストを徹底する仕組み作り
<2>人権侵害、ハラスメント被害者の保護の徹底
<3>コンプライアンス違反への厳正な処分の敢行
<4>危機・リスクを減らす仕組みの導入
<5>編成・バラエティー部門を解体・再編アナウンス室を独立
<6>役員指名の客観性・多様性・透明性の確保
<7>役員らの女性比率向上と若手登用で多様性を実現
<8>公共性と責任を再認識し、企業理念を見直す
社外の第三者からのチェック体制を強化するほか、社内では相談窓口などの新設や周知徹底をさらに強めていく。また、被害を受けた元女性社員がいたアナウンス室を編成局から独立させ、番組への起用方法についても、アナウンス室の権限を強化し、人権に配慮したマネジメント、起用を目指す。そして番組との調整役を担う「コーディネーター制度」も新設する。これまでの企業理念としてあった「楽しくなければテレビじゃない」から脱却し、「放送法の原点に立ち返り、公共性をもって社会から必要と認められる企業となります。そして、社会の公器としての役割を果たします。行動指針をゼロから見直すべく、『リブランディング・ワーキング』を立ち上げ、次世代を担う中堅若手の声を吸い上げます」とした。再構築した企業理念は後日あらためて発表するという。