
マルチに活躍するタレントみうらじゅん(67)が19日、都内で、「アウト老のすすめ」(文芸春秋)出版記念イベントに出席した。
同所は「週間文春」連載コラムをまとめたもので、発売前の重版が決定。同イベントチケットは販売開始2分で予約枚数到達の人気ぶりだ。
取材会場に登場するとレコーダーが並べられ、マイクを向けられた。その様子に「何か悪いこと、したっけ? 謝罪会見じゃないよね」と会場を笑わせた。
同書のタイトル「アウト老」の定義について聞かれると、「還暦前に身体にオイルショックを感じたけど、考えても“しょうがないこと”には“しょうもないこと”をぶつけようと、あえて老け作りをした」と切り出した。「意外と白髪がなくて」と続け、「ひげを伸ばしてたら白髪があって『しめた!』と思ったね」と笑った。
「はみ出し老人の先で、しょうがないかなと言われるような人を目指した」といい、「シリアスに考えてもしょうがなくて、それは、しょうがないことの思うつぼ」と説明した。
ハットにサングラス。著書の表紙をプリントしたTシャツにジーンズ姿だったが、「この格好もおかしいでしょう。“どうかしている状態”をDSって呼んでいる」。だが「アウト老を始めてまだ時間がたっていないので、さすがに仕事場からの移動では上着を羽織ってきた」と恥ずかしさに負けたことを明かしつつも、「自分を崖っぷちに追い込むのがアウト老への第1歩」と力説した。
ハイタッチイベントの開催ついては「おじいさんのハイタッチはないだろうって」と話した。販売開始2分で予定枚数到達の人気ぶりを「他にも有る仕事でデビューしたので、その隙間を見つける、いわば隙間産業でやってきた。これはつまり“ない仕事なんです」とし、「ない仕事を考えての45年なので、それに付き合ってやろうかなって思ったんじゃないかな」と分析した。
「真面目、不真面目を決める段階で真面目」と力説。「真面目は病気」とし、「自分に対しての真面目はなんの役にも立たない。老後は特にいらない。それを続けたら介護なんてしてもらえない」と独自論を展開。「かわいがってもらえるように演じるのもアウト老」とし、「自分の真面目ぶりを笑えるようにならないとね。客観視が大切。できれば笑ってもらおうがないと客観視できない。だから、今日のこの場に立つとしたら、ズボンのチャックが空いているとか、そういうところからやってみたらいい」と勧めた。