
大川興業総裁のタレント大川豊(63)が4日、国民民主党の榛葉賀津也幹事長の定例会見に出席し、福祉政策をめぐって榛葉氏と議論を展開した。
会見の質疑応答後半で指名されると「フリーランスの大川興業総裁、大川豊です」とあいさつ。榛葉氏は「大川興業・大川さん、初めまして」とにこやかに歓迎すると、大川は「自分はいつも静岡の現場とか、名古屋市長選で、榛葉幹事長の演説はいつも見ております」と自己紹介した。榛葉氏は「目力強いですね」とツッコミを入れ、大川は「はい、ありがとうございます。このキャラクターで、政治家の方、官僚の方にお会いしております」と応じた。
ただ、ここからは真剣な福祉政策議論に。大川は「知的障がい、発達障がい、精神疾患、境界知能、そういった現場を自分はずっと歩いておりまして。今、(国民民主は)手取りを増やすという公約をあげられていますけど、今、知的障がい者の働く『就労(継続支援)A』というシステムがあります。これが突然、去年、報酬改定になりまして、突然です。生産性が上がらないと報酬が受け取れないという形になりました」と、厚労省所管の制度の改定があったことに触れた。
大川は「もともと福祉サービスなので、企業論理ではなく福祉としてやるので、事業所として売り上げが上がらないと報酬が受け取れないというシステムにしたがために、全国で今、5000人以上の方が失業されております。事業所も廃止となっております」と現状を説明。「元々、事業売り上げがある施設はわずか6%なんです。元々そうなるのが分かっていたんです。にもかかわらず報酬改定をして、大変なことが起きている状況なので、国民民主党としては、中小企業の支援もありましたけど、どのようなお考えか、お聞かせ下さい」と質問した。
榛葉氏は「とても大事な問題だと思います。その問題にかけては、伊藤孝恵(参院議員)さんがずっとやってましたので、またぜひ伊藤さんに聞いて欲しいと思いますし、ここは政治が、まさに、弱肉強食の世界ではなくて、ここのところをしっかり手当をする」と明言し「今『就労継続A』とおっしゃいましたが、『A』だけではなく『B』も大変ですね」と、雇用契約の有無の差がある別の制度についても切り出した。
大川は「そうなんです」と応じると、榛葉氏は「『18歳の壁』、今、労働力が足りない中で、お父さんお母さんが、特に高校卒業した18歳以降の放課後デイケアを含めた居場所の問題。ここで仕事を辞めざるを得ない、という方がたくさんいますね」と、働き場所を失うことで家族の負担が増えるケースにも言及。「こういった問題は、まさにしっかり対応する必要があると思いますし、今、わが党においても、伊藤孝恵さん中心に、この問題を対応していますので、しっかりとわが党においても方向性を示せるように、努力したいと思います」と語った。
大川はここで「現場の感覚では『就労A』というシステムが残れば、不登校、ひきこもり、発達障がい、療育手帳を持たない境界知能の方々が、一般就労に向けての活動ができる、しかも段階を踏んでできる、という良いシステムなのに、時代と逆行するようなことをされてまして」と指摘すると、榛葉氏も「現場を分かってないね」と即答。大川も「その通りです」と肯定した。
榛葉氏は「働く現場と家庭の現場、これは福祉政策のみならず、我々の就労政策としても、貴重な労働力のみならず、生きがいの問題ですね。それと同時に、何度でも言いますが『B』は、親御さんの就労問題、これに直結するから」と熱弁し、大川も「その通りです」。榛葉氏は「私はこの分野の専門家ではないですけど、しっかり対応したいと思います」と党ぐるみでの対応を強調した。
この問題では昨年の改定以降、障がい者が5000人規模で解雇や退職を余儀なくされたほか、300を超える事業所が閉鎖されたことなどが報道された。原因として、一部の悪徳業者が助成金を受け取る目的で事業所を開設したことがあげられており、真面目に働いていた障がい者や事業所が被害者となってしまっている点が指摘されている。