
米映画「ワンダーウーマン」シリーズで知られる女優ガル・ガドット(39)がハリウッドの殿堂入りを果たした式典で、18日、イスラエル・ガザ戦争をめぐって親パレスチナ派と親イスラエル派の抗議デモ隊が衝突する一幕があった。イスラエル出身のガドットは、ハリウッドで女優活動を始める前はイスラエル防衛軍で2年間服務した経験があり、パレスチナのテロ組織ハマスによるイスラエル攻撃を非難し、イスラエル支持を表明している。
ハリウッドで行われた星形プレートを披露する式典には、両国の旗やプラカードを持った数千人の抗議活動家が集まり、殿堂入りがたたえらるガドットのすぐそばで「パレスチナ万歳」「英雄はパレスチナ人のように戦う」「イスラエルの犯罪にこれ以上、お金を使うな」などの叫び声が響き渡る緊迫した状況となった。
その後、親パレスチナ派のデモ参加者が親イスラエル派から旗を奪い取ったことを機に、両デモ隊が衝突。乱闘騒ぎに発展し、出動した警察によって逮捕者が出る騒動になったと地元メディアが伝えている。
家族とともに出席したガドットは、「15年前、私たちはここに来て、この大通りを車で通りましたが、このような栄誉を受けるとは誰が想像したでしょう」とスピーチし、騒動をよそに笑顔で感謝の言葉を述べていた。
イスラエル・ガザ戦争をめぐっては、20日に公開されるディズニーの新作「白雪姫」で主人公の白雪姫を演じる米女優レイチェル・ゼグラー(23)がX(旧ツイッター)で「パレスチナ解放」を訴え、意地悪なまま母である女王役のガドットとの間で政治的対立が起きていることも伝えられている。
ディズニーは2人を取り巻く複雑な状況を考慮し、15日に行われたプレミアでは報道陣をシャットアウト。レッドカーペット上のインタビューをディズニーのスタッフが行う異例の事態になったばかりだった。(ロサンゼルス=千歳香奈子)