
ロイター通信は27日、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスが、人質4人の遺体を引き渡したと報じた。イスラエル側もパレスチナ人を釈放した。約束されていたイスラエル人の人質33人が全員解放され、停戦の第1段階はほぼ完了した。
イスラエルは、ハマスが人質解放の際に開く式典を「侮辱的」と批判し、22日に予定されたパレスチナ人約600人の釈放を延期していた。今回の遺体返還では、こうした式典は行われなかった。釈放が再開されたことで、停戦は当面維持される見通しだ。
停戦の第1段階の期限が3月1日に迫る中、恒久的な停戦やイスラエル軍の完全撤退を含む第2段階に進めるかが焦点となっている。ただ、イスラエルがハマスの武装解除を求める一方、ハマスは拒否する意向を示しており、協議が難航するのは必至だ。
停戦合意によると、協議が続く間は、停戦は延長される。ロイター通信によると、イスラエルは第2段階に入ることなく、停戦を42日間延長し、残る人質約60人を解放させることを検討しているという。
トランプ米政権の中東担当特使ウィットコフ氏は停戦の延長について議論をするため、近く中東地域を訪れる予定だ。【エルサレム松岡大地】