
第97回アカデミー賞授賞式が2日、米ロサンゼルスのドルビー劇場で行われ、作品賞など10部門にノミネートされている「ウィキッド ふたりの魔女」のシンシア・エルヴォ(38)と、アリアナ・グランデ(31)による圧倒的なパフォーマンスで幕を開けた。
真っ赤なドレスをまとったグランデが、映画「オズの魔法使い」でドロシー役のジュディ・ガーランドが披露した名曲「虹の彼方に」を、白いドレスを着たエルヴォが1975年のブロードウェイミュージカル「ウィズ」から「ホーム」を披露。最後は2人が手を取り合って「ウィキッド ふたりの魔女」のデュエット曲「ディファイング・グラヴィティ」を力強く歌い、会場はスタンディングオベーションとなった。
今年1月にロサンゼルスを襲った山火事への影響から開催が危ぶまれた今年の授賞式は、甚大な被害を受けた映画の都ロサンゼルスに敬意を示し、着せ替え人形を実写映画化した「バービー」(23年)やアカデミー賞6部門を受賞した「ラ・ラ・ランド」(16年)、俳優ロバート・ダウニー・Jr主演の「アイアンマン2」(10年)など、ロサンゼルスを象徴的する映画のシーンを集めた映像がオープニングを飾った。
今年の授賞式で初のホストを務めるコメディアンのコナン・オブライエン(61)は、オープニングのモノローグで過去のSNS投稿が物議を醸した最多13部門にノミネートされた「エミリア・ぺレス」の主演女優カルラ・ソフィア・ガスコン(52)をネタにジョークを飛ばす場面もあった。トランスジェンダーを公表した俳優として初めて主演女優賞にノミネートされたガスコンは、アカデミー賞を前に人種差別的な投稿が再浮上したことで大論争となり、公の場から姿を消していた。オブライエンは「何を投稿したの?」とからかった後、「カルラ・ソフィア・ガスコンが今夜ここにいます」と名前を呼び、カメラがガスコンの姿がカメラに映し出された。(ロサンゼルス=千歳香奈子)