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俳優猪塚健太(38)が、単独イベント「猪塚健太2nd Event ~2025年 大勉強会~」を、23日にシアター・アルファ東京で開催する。トークやファン交流に加え、コーナー企画として昼はコント、夜は怪談に挑戦する。このほど、日刊スポーツの取材に応じ、イベントに臨む気持ちなどを語った。【聞き手=小林千穂】
23年12月に開催した第1回の単独イベントでは、自ら書いた脚本で朗読を行った。俳優としてのスキルを見てもらいたいという思いで、「ゼロからイチを生み出す苦しさを知った」と振り返った。今回、コントと怪談を選んだ理由も、芝居とつながっている。
「最近、コメディーものやホラー系の作品に出させてもらって、笑いと恐怖は対になっていて奥が深いと感じたんです。役として演じると、その時の正解は出るかもしれないですけど、さらにいろんな感情をつかみたいという思いがありました。なかなかコントをやる機会もないですし、怪談をお客さんの前で話す機会もないので、1つのチャレンジとして、どんな自分を見つけて、広げられるかという思いを込めています」
小さいころはテレビっ子で、たくさんのお笑いを見てきたという。今でもテレビや配信でお笑いをチェックする。
「芸人さんのことは本当にリスペクトしているんです。表現の仕方がめちゃくちゃ上手ですよね。お芝居で参考になることがたくさんあります。シソンヌさん、空気階段さんはドラマで共演させてもらったんですけど、一緒にやればやるほどおもしろさ、すごさが分かりました」
今回のコントは、ピン芸人として活動する「どくさいスイッチ企画」のネタをかけるという。
「小道具を使わずに、芝居だけで、いろんなシチュエーションを見せていきます。日常を描いていて、ちょっと皮肉が効いていたり、切り口もおもしろくて、すごくハマったんです」
1人で黙々と練習を続けているそう。
「ここはもっと笑いが取れそうだなと考えると、ワードを重ねたりするんです。でもお客さんの前に出してみないと分からないし、正解かどうか分からない。芸人さんが舞台に立ち続けて、どんどんブラッシュアップしていることって、やっぱりすごいなと思いました」
怪談については、マネジャーが怪談好きだったのがきっかけだったとした。
「怪談バーに連れて行ってもらったんです。演出や怪談のジャンルがたくさんあることに驚きました。怪談ってお化けや霊の話というイメージでしたが、都市伝説や不思議な体験も怪談として扱っていたりとか、ちょっとおもしろかったんですよね。話す人のテイストも本当にたくさんあるので、僕もやってみようと思って組み込みました」
ネタは自ら書いたものを披露する。
「いろんな人の話を聞いてネタを集めて話そうかなと思っていたんですけど、いろいろと話を聞くうち、自分にもちょっと不思議な体験あったな…と思い出してきたんです。実体験の方がうまく話せそうですし、真実味があるので、自分の話をしようと思っています。僕自身、霊感はないので、心霊現象という感じはしないんですけど、ちょっと不思議な体験を話します」
1日限りのイベントに向け、リサーチにかなりの時間を費やしてきた。きまじめさを見せる。
「前回、脚本を自分で書いて、本当に大変だったんです。すごく時間がかかって、2カ月以上悩んで書きました。今回は前回よりはすぐにできるだろうって思っていたんですけど、調べたり、足を運んだり、結局、同じくらい労力かかってます」
果たしてコントで笑いが取れるのか、怪談を楽しんでもらえるのかは、まったくの未知数。ただ、楽しげで前向きにとらえている。
「心折れないで最後までできるかは分からないんですが、イベントに来てくださるということは、絶対に僕のファンだと思っています! ウエルカムな気持ちで楽しもうと思ってくれるはずですよね! チケットを買ってくださった皆さんは、楽しむことだけを考えて安心して来ていただきたいなと思います」
すでに3回目以降の単独イベントも視野に入れている。
「東京だけじゃなくて地方でもできたり、配信もできるように続けていけたら最高だと思います」
○…このほど、テレビ愛知の連続ドラマ「純喫茶つながり、閉店します」(3月1日スタート、土曜午後3時半)に出演することが発表された。主演の竹財輝之助が名古屋にある純喫茶の臨時マスターを、猪塚が編集者を演じる。
竹財とは18年から作られたドラマ、映画「ポルノグラファー」シリーズ以来の共演。同シリーズ後も、食事に行くなど交流を続けてきた。間もなく始めるというゴルフも、プロ並みの腕前を持つと評判の竹財にゴルフをやりたい宣言をしたことがきっかけになった。クラブセットも準備し、いつでも行ける状態になっているそうで、猪塚は「竹財さんに『いよいよ始める時が来ました』と言ったら、『やっとか』って。ちょっとレッスンに通ってラウンドに連れて行ってもらいたいと思います」と話した。
◆猪塚健太(いづか・けんた)1986年(昭61)年10月8日生まれ、愛知県出身。20歳で俳優デビュー。ドラマ、映画「今日から俺は!!」シリーズ、映画「娼年」「劇場版 TOKYO MER~走る緊急救命室~」など、映像、舞台と幅広く活動。テレビ東京系「財閥復讐~兄嫁になった元嫁へ~」に出演中。特技はサッカー、カプチーノ作り。