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島根県が条例で定める「竹島の日」の22日、松江市殿町の県民会館で20回目の記念式典があった。県は首相や閣僚の出席を政府に求めていたが見送られ、政府代表として今井絵理子内閣府政務官が出席。政務官の出席は13年連続となった。丸山達也知事は「竹島問題の解決に向けた政府の主体的な取り組みが速やかに実行されるよう引き続き強く求めていく」と訴えた。
式典には与野党の国会議員を含む360人が来場した。今井政務官は「領土や主権という極めて重要な課題。政府は総力を挙げ毅然(きぜん)とした態度で我が国の立場を韓国側にしっかり伝え粘り強く対応していく」と述べた。
式典では、竹島問題に関する資料提供や研究協力などの功績があった3人と松江市の美保神社へ感謝状が贈呈された。
感謝状を受け取った同県安来市の辻谷洋子さん(65)は、江戸時代に幕府の許可を得て竹島などに出漁していた、現在の鳥取県米子市の商家の活動についての資料を提供した。商家の活動は、日本の竹島領有の論拠の一つになっている。
美保神社は、1905年に当時の島根県知事らが竹島を視察したことについての研究に協力した。美保神社に残る文書により、知事一行は神社を参拝後に竹島に出発したことが分かったという。
式典に合わせて岡山県警から応援を受け、約620人体制で警戒にあたった。島根県警によると、会場周辺では約20の右翼団体(約40人)が活動し、街宣車約15台を走らせたが、目立ったトラブルはなかったという。【目野創、松原隼斗】