starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

太志、Aqua Timez期間限定で再始動 何歳になっても、その時感じたこと歌っていきたい


Aqua Timezのボーカリスト太志が、約6年の解散期間を経て再結成したバンドでの新たな挑戦について語ります。同バンドは今年でデビュー20周年を迎え、期間限定で活動を再開。太志にとって音楽は生活のすべてであり、「音楽とは何にしても一番にあるもの」と語ります。バンドは解散後、多くのメンバーが音楽活動を継続していたが、昨年から再結成し活動を再開。新曲「深呼吸の理由」はNHK「みんなのうた」で採用され、全国ツアーも計画中です。再結成後は、かつてのファンや若い世代からの注目も集め、成熟した音楽性でファンの心を再び彩っています。

「音楽とは何にしても一番にあるもの」と話すAqua Timezの太志は、冬の日差しを浴びて穏やかな表情を見せる(撮影・浅見桂子)

いつもそばに音楽があった。その日々は、充実の時を迎えている。5人組バンド、Aqua Timezのボーカル太志(ふとし、44)。18年末に解散した同バンドは今年デビュー20周年。年末までの期間限定で、昨年から再始動した。約6年のブランクも成長にかえて、人々の心を再びさわやかに彩っている。【大友陽平】

★20周年イヤー

何よりも、音楽が好きだ。詞で、メロディーで、その歌声で人々の心を潤してきた男にとって、音楽とは「何にしても一番にあるもの」だという。

「もちろん食べたり、生活する上で必要なことはあるんですけど、それらもやっぱり音楽のため…ってなるので。もちろんそれで苦しくなることもありますけど、苦しくなるってことは、それが一番っていうことでもありますよね」

岐阜で育った少年は、ごく普通に音楽と触れ合ってきた。6歳上の姉や親と一緒にTBS系「ザ・ベストテン」を見て、レンタルショップでCDを借りては、カセットテープを編集して聞いた。高1の時、父が買ってくれたギターを部屋で弾き始めた。

「誰に聞かせるわけでもないんですけど、ヒット曲のコードが全部載ってる本を参考に弾いてみたり、Mr.Childrenのアルバム『深海』は“ザ・バイブル”! ネットもないし、とにかく音楽番組などをVHSでとって、どうやって弾いてるんだ? って友達と見てました」

高校時代も、特にバンド活動などもしていなかった。大学進学時「4年間の中で、自分の人生を決めていく」と上京したが、音楽への思いを胸に秘めていた。

「音楽をやるために…とは親には言えなかったんですけど、頭の中にはありました。MTR(マルチトラックレコーダー=録音機器)を使って、曲も作り始めました」

インターネットのバンドメンバー募集掲示板を利用して、同志を探した。文字で音楽性をアピールしつつ、会っては自分の曲を聞いてもらった。数人会った後に、ベースのOKP-STAR(オーケーピースター、47)と出会い、意気投合。Aqua Timezが結成され、他のメンバーとも出会った。

「とにかくメインストリームに出ていきたいという気持ちがありました。たくさんの人に聞いてもらえる音楽をやりたいよねって。原宿とか渋谷のライブハウスに出たり、お客さんが2、3人の時もありましたけど、その後にみんなでミーティングしたのも思い出深いです」

★5人の空気感

05年8月24日、ミニアルバム「空いっぱいに奏でる祈り」でインディーズデビュー。同アルバムに収録の「等身大のラブソング」が注目され、80万枚のヒットを記録した。翌06年にメジャーデビューし、一気にブレーク。ヒット曲を生み出したが「右も左も分からないまま」突っ走った先で、18年末に解散した。

会社員になったドラムのTASSHI(タッシー、46)以外のメンバーは、それぞれ音楽活動を継続していたが、昨年7月、デビュー20周年イヤーの期間限定での再結成を発表し、再び5人の音楽物語が動き出した。

「この5人だけの空気感みたいなのがありますし、実家みたいだねって話してます。解散して6年がたって、僕らもファンのみんなも年齢を重ねて、成熟した何かが楽曲の中に入っていったと思いますし、解散前よりも声援が大きく感じて、すごく待たせていたんだなって…」

約6年のブランクの中で音楽界も大きく変化しているが、思わぬ反響もあった。

「Mrs.GREEN APPLEとか、今の才能ある若いミュージシャンが『聞いてました』って、フォロワーとしていてくれたことを感じています。20年目とかになるとそうなんだと(笑い)。うれしいですよね」

★みんなのうた

2月1日からは、NHK「みんなのうた」に初登場し、書き下ろした新曲「深呼吸の理由」が流れる。

「『みんなのうた』をやらせてもらえること自体が光栄なことで、うれしかったです。動物のインスタグラムを見たりするのが好きなんですけど、動物って着飾ってないし、愛くるしいな…というところから膨らんでいって、最終的には宇宙ってなったんですけど、Aqua Timezらしい、よく青春って例えられるんですけど、そういうものに自然となってきたので、これもまた5人で集まるからこそだなと。新曲は待ってくれていたファンに現在進行形を見せられる。リリースもどんどん決まっていて、充実しています」

★ツアー3月から

3月15日に京都・平安神宮での特別公演を行い、同29日からは全国ツアー(8月まで24公演)も始まる。

「昔の曲もアレンジして、最新のAqua Timezで見せたいです。再結成とはいえ“終わり”があるので。そこに悔いのないように…。ただ、最後はこうなるんじゃないか? とかはあまり考えないようにしてます。1本1本が大事ですし、今、決まってるところで、ベストを尽くしていきたいです」

計画を立てるのは苦手という。ただこれまでも目の前のことにひたむきに取り組んできたことには、自負がある。それは、これからも変わらない。

「将来の絵を描いたりはできないんですけど、詞と曲を書くことが好きです。自分の見てきたもの…例えば家族のことや、人間関係に迷った時こそ書けるものがたくさんありましたし、自分は社会と上手にやっていけるタイプではないんですけど(笑い)、それでもそういう人って他人に言えないだけでたくさんいると思います。だから俺が手を挙げて、俺も全然できないことばかりだよって。悔しいこともたくさんあるし、自分のことを嫌いになる時もあるし…。うまくいかないこともあるからこそ、何歳になっても、その時感じたことを歌っていきたいと思っています」

▼TASSHI

(太志は)永遠の少年であり、仙人であり、詩人です。彼と一緒にいると「え、そんなことある?」ということがよく起こります。この前シンガポールに行った時も、出発当日の朝にパスポートが見つからず。リュックの一番奥から新しく作ったばかりのパスポートが、くの字の状態で見つかったりとか(笑い)。メンバーの中で、誰よりもピュア。同時に、全てを達観しているところもあって、本質を見抜く。言葉を扱うプロフェッショナルなので、普段の会話ひとつとっても、説得力があり、無駄のない的確な表現ばかり。僕の持っていないものを全て持っている人だから、とてもリスペクトしています。というか、もはや彼のファンです!

◆太志(ふとし)

1980年(昭55)5月10日、岐阜県生まれ。03年にAqua Timezを結成し、05年8月24日発売のミニアルバム「空いっぱいに奏でる祈り」でインディーズデビューし、06年4月にミニアルバム「七色の落書き」でメジャーデビュー。18年にバンド解散後は、音楽プロジェクト「Little Parade」で活動。2月1日には横浜BAYHALLでアコースティックライブも開催。

◆Aqua Timez(アクアタイムズ)

ボーカル太志、ベースOKP-STAR、ギター大介(47)キーボードmayuko(47)ドラムTASSHIの5人組。代表曲は「決意の朝に」「虹」など。06、08年にNHK紅白歌合戦出場。

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2025
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.