フジテレビに対して、準キー局の立場にある在阪局のカンテレ(関西テレビ=大阪市北区)は、20日放送の同局生情報番組「旬感LIVE とれたてっ!」(月~金曜午後1時50分=関西ローカル)の中で、中居正広の女性トラブルを端緒とするフジテレビの問題を取り上げた。
番組前半、この問題を取り上げ、昨年12月の週刊誌報道から当初のフジテレビのコメント、さらに17日のフジテレビの港浩一社長が会見した流れなど、ここまでの経緯を整理して説明。全55分の番組で、CMをはさみ、のべ約18分の時間を割いた。
一連の流れについての説明を受け、永田町事情に精通するジャーナリスト鈴木哲夫氏は「危機管理の甘さ」を指摘した。
「僕は、そもそもなんですが、やっぱり危機管理の問題だと思うんですよね。日本の政治の世界でも(危機管理の問題は)あるし、企業でも、常に日本って危機管理遅れてるよねっていう感じが」
危機管理意識の低さを強調し、続けて「一番最初に、『この問題に社員は関わってはいない』って出しました。僕、その時に『えっ』と思ったんです。これ、言い切っていいのかな?」と最初に抱いた違和感を口にした。
鈴木氏は「なぜ(最初にコメントした)あの時に『しっかり調査していきたい』って」。そう言えなかったのかと首をかしげた。
その観点から「これ、危機管理の基本ですけども、そういうコメントをしなかった、その辺の危機管理の問題」と述べた。
さらに、危機管理の上ではもう1点を指摘した。
「個人的にすごく思うのは、港さんがこの前、会見して。いや、会見するのはいいことなんだけど、1月17日にやったでしょう? この日、阪神大震災の30年の日だったんですね」
フジテレビが会見を開いた17日は、阪神淡路大震災から30年の「1・17」だった。あくまでも、フジテレビは「公共の報道機関でもある」との立場から、日程の選択そのものを疑問視。
鈴木氏は「あの日はやっぱり、皆でしっかり、震災のことを考えなきゃいけない日。そこにぶつけて…。あの日の夜の他の局のニュースも、トップが(震災30年ではなく)こっちだった」。そして「この辺も含めて危機管理というところが問題かなという風に、私は思いますね」と続けた。
また、会見はカメラなしで行われたことに、元プロテニス選手の沢松奈生子氏が「一番、残念だなと思ったのは、テレビカメラが入らなかったこと。我々で言えば、ラケットがないのと同じ。何かを隠そうとしてるんじゃないかと思われても仕方ない」。
これに、ゲスト出演していたオズワルド伊藤俊介は「どうなっていくんだろう? という不安はあります。でも、次のステップとして、公で、みんなに(第三者を含む外部調査の結果を伝える)前の段階の話だと思った」とし、厳正な調査に入るという発表ならば、テレビカメラなしも容認の構え。その上で「結果は広く」伝える場を設けることを望んでいた。