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宝塚歌劇団、団員急死から1年 改革は途上「組織整備は責務」


兵庫県宝塚市・宝塚歌劇団本拠地の宝塚大劇場(2024年撮影)

宝塚歌劇団の25歳宙組団員が昨年9月30日に兵庫・宝塚市の自宅マンションで転落死してから、30日、1年を迎えた。

死亡の背景をめぐっては、遺族側が過重労働に加え、上級生からのパワーハラスメントなどが原因と主張。劇団側と協議を重ね、劇団は今年3月末、パワハラを認めて遺族と合意書を締結し、謝罪。上級生らから謝罪文が提出されたという。

活動を休止していた宙組は、6月20日に宙組公演を再開。10月22日からは全国ツアー開幕も控え、通常の興行体制に戻っている。

劇団では一周忌を前にした27日、報道陣の求めに応じる形で、「私どもといたしましては、宝塚歌劇団の関係者が安心してより良い舞台作りに専念できるよう、また、お客さまにより良い公演をお届けできるような組織や体制、仕組みを整えていくことが責務だと考えております」とコメント。

昨年来、進めている劇団改革にも触れ「現在進めております宝塚歌劇団の改革に継続して取り組んで参ります」などとしていた。

劇団では、過重労働解消のための施策や、「組織風土」の改革にも着手。年間の上演作を減らし、公演日程に余裕を持たせることで、稽古期間を3~5日ほど長く確保。全体での稽古を増やすことで、個人に頼りがちな自主稽古の負担を減らしている。

一方で、9月5日には西宮労働基準監督署から「是正勧告書」を受けており、改革も途上にある。

その進捗(しんちょく)については「今現在も取り組んでいる」とし、新たな発表事項があれば「速やかに発表したい」とした。

またこの日、劇団では、宝塚大劇場での献花台設置などはしないとしている。

劇団の村上浩爾理事長は、先立つ7月に取材対応し「ご遺族の方に直接、謝罪を申し上げ、ひじょうに重い場だった。ご遺族のいらっしゃらない場で、軽々に弔意を表すことはできない」などとの思いを口にしていた。

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