女優・広末涼子(35)、子役の赤松えみなちゃん(5)が4日、都内で映画『はなちゃんのみそ汁』(監督:阿久根知昭/配給:東京テアトル)キックオフイベントに登場した。
2008年33歳の若さで乳がんで亡くなった安武千恵さんの闘病と、その闘病中に出産した娘のはなちゃん、夫の信吾氏の生活をつづったブログ『早寝早起き玄米生活』が原作。千恵さんが病魔と闘い残り少ない命で、はなちゃんに料理や家庭の大切さを伝えていく姿を描いている。昨年8月の『24時間テレビ37「愛は地球を救う」ドラマスペシャル』(日本テレビ系)ではドラマ化され感動を誘い、映画化。広末が千恵さん役、滝藤賢一(39)が信吾氏役、えみなちゃんがはなちゃん役を演じ、一青窈が主題歌を担当する。
イベントはえみなちゃんが広末にみそ汁を作るということで、2人ともエプロン姿で登場。えみなちゃんがかつお節を削ったり、手のひらの上で豆腐を切ったりするのに、広末は手を添えながら、まるで本物の母娘のようにみそ汁を作り上げていくことに。
作り終えて広末は、えみなちゃんが映画撮影時よりも成長したと切り出し、「お芝居経験がなかったので、まったく子役的要素がなかったんですけど、きょうは全然違って、すごくビックリしました!どうしたの?」と、目を細めつつ、「女の子は成長が早い。今後に期待ですね」と、笑みを浮かべた。
自身の母親とのみそ汁エピソードを問われた広末は、「朝ご飯のときはおみそ汁だったんですけど、なぜか試験前は『みそ汁を飲んで行きなさい。脳の働きが良くなるから』とグイ押しされて、当時はいまいち意味が分かっていなかったです」と、振り返りつつ、「基礎体温を上げることだったり、温かいおみそ汁を飲むことで、体も脳も活性化するというのが、わかって、ママの言うことは間違っていないんだなと思いました」と、母親に感謝する一幕も。
本作へ出演して広末は「あらためて千恵さんの病気のことだったり、命と向き合うこと、健康のありがたみ、食の大切さをすごく痛感させられました。私ももっともっと頑張らなきゃと思いました」と、自身のライフスタイルにも影響があったようだった。
「お子さんがいらっしゃる方は重たいかな、ちょっと悲しいかな、つらいかなと思われ、映画館に足を運ぶのも気が重くなるかもしれないんですが、まったくそんなことはなくて、映画でしかできない『はなちゃんのみそ汁』ができ上がっています。えみなちゃんとの毎日の現場を通して、一番、千恵さんの気持ちを感じさせられました。この子の存在が何よりの元気の源というので、演じていて幸せでした」と、広末からPRしていた映画『はなちゃんのみそ汁』は12月19日よりテアトル新宿&福岡県内先行公開で2016年1月9日より全国拡大公開!
■Story
ちゃんと作る、ちゃんと食べる――大切な家族へ、愛するひとへ伝えたい、いのちのメッセージ
恋人との何不自由ない幸せを夢見ていた千恵はある日、乳がんを宣告される。見えない不安に怯える千恵に信吾は優しく寄り添いプロポーズをする。こうして、2人は晴れて夫婦となった。
抗がん剤治療の影響で卵巣機能が低下、出産をあきらめていた千恵だが、ある時妊娠していることが分かる。産むか産まないか――産むということはがん再発のリスクが高まり、自らの命が危険にさらされるということだった。
周りの支えで命を懸けて産むことを決意し、はなを無事出産。しかしながら、家族3人の幸せな日々は長くは続かず、千恵を再び病魔が襲い残り少ない命を覚悟。私がいなくなってもはなが、暮らしていけるようにと、千恵は鰹節を削って作るところから始め、みそ汁など料理や家事の大切さを教えはじめる。彼女たちのおいしくてあったかい、かけがえのない日々が続いていく。