1月30日、第3回目の多言語音声翻訳コンテストのオンライン審査会が開催されました。このコンテストは総務省とNICTが主催する多言語音声翻訳技術の更なる普及を目指した取り組みで、世界の「 言葉の壁」をなくし、グローバルで自由な交流を実現するために実施されています。
今回は多言語音声翻訳技術の新たな活用方法の「アイデア」と「試作品(PoC)」を募集し選出された15組が発表。本記事では当日のレポートをお届けします。
まずは武田総務大臣からのご挨拶がありました。
今年は新型コロナウイルスの感染予防を意識した新しいアイデアや試作品の応募がたくさんあったそうです。今後はよりオンラインが当たり前になるはずですので、言葉の壁を乗り越え新しいコミュニケーションを生みだせる多言語音声翻訳技術が登場するのが楽しみですね!
アイデア部門最優秀賞は「言葉のニュアンスでトラブルを減」を目指す
アイデア部門で総務大臣賞(最優秀賞)を受賞したのは誠意翻訳チームの久保田海愛さん。
「世界で働くあなたへ、ニュアンスによるビジネスでのトラブルは「誠意翻訳」で解決します!」という内容で、言葉のニュアンスによる仕事トラブルを解消するアイデアを提案しました。
NICT賞は灰屋遥香さん。なんと締め切り5分前に応募したそうです!
「外国人事業主の税務事務負担軽減のために」考えたアイデアで、受賞発表では「言葉にならない」驚いた様子でした。
試作品PoC部門最優秀賞は「外国人児童向けの翻訳アプリ」
試作品(PoC)部門の総務大臣賞(最優秀賞)を受賞したのはチーム名大のお二人。外国人児童向け授業翻訳アプリ「授業翻訳くん」をつくり、言葉の壁を乗り越える手助けをすることを考えました。
近年、日系ブラジル人含めブラジル人人口が高くなり、学校では人種の多様化が進んでいるそうです。そうした背景から、教室運営のアナログさを改善し、社会問題を解決しようとした点が優秀賞に至ったとのことでした。
なんと満場一致での決定だったそうです!
NICT賞は「下野HC(しもつけエイチシー)」の片岡さん。
「マスク着用時代にスマートに会話が出来るシステムの開発」を行い発表に至りました。「選ばれると思ってなかったので横になっていた」と驚かれた様子。
審査員のトラウデン直美さんは「会話はスピード感ある翻訳で、ほとんど同時に会話している感覚でいいな」と思ったとお話しされていました。
閉式の挨拶はNICT 徳田理事長から。
まず軽くご挨拶をされたあと、コンテストの発表を見て「整理されていた発表や、ユーザーインターフェイスを考えてくれる発表があり頼もしかった」と述べられました。
「商品化まで考え進めて欲しい」と思うものが多かったようで、発表された全てのレベルにとても驚かれている様子でした。
今回応募された皆様の、今後の活躍に期待したいですね!