11月15日公開の映画『いのちスケッチ』は、福岡県大牟田市に実在する動物園を舞台にした実話ベース映画。
この動物園の何が特別で映画になったのか? それは、国内で初めて麻酔なしでの採血に成功。動物福祉に特化した動物園として世界からも注目されている動物園なんです。そんなバックボーンを持つ本作ですが、映画は人間ドラマ中心。しかも、夢に破れた男の再生物語という青春ドラマになっております。
経営難の動物園で行われる世界的にも珍しい取り組みとは?
漫画家を目指し上京しながらも、マンガでは食っていけず、バイトに明け暮れる主人公。マンガ家仲間の一足先のデビューやバイト先の運営会社の夜逃げ等に合い、故郷の福岡へ。生きていく為、紹介された地元の延命動物園でのアルバイトで働く事に。その動物園というのが、動物の健康と幸せを第一に考える「動物福祉」に力を入れた動物園だったんです。
百獣の王ライオンに対しても、負担を掛けないよう、麻酔なしで採決できるよう調教中。世界レベルで見ても珍しい取り組みをしているものの、予算縮小で園の運営は火の車。存続も危ぶまれる危機的状況。果たして、この後、どう挽回していくのか? 主人公はどう人生を見つめ直すのか?
現実問題にも繋がるリアリティー!!
最初こそ、人間中心の考え方で働く主人公。落ち着きのない園長や、やたらと厳しい女性獣医師、飼育員たちと働き、動物福祉の重要さを痛感していきます。最初は怒られるばかりだった美人女性獣医師とのラブ要素も追加。
正直、中盤はタラタラと悩み続ける主人公に苛立ちもします。ですが、後半の動物園での取り組みを、マンガにしていく流れは、熱血展開。ヒロインの抱える秘密も明らかになっていきます。既視感だらけで、派手さはない本作。それでも、"経営難の動物園"という問題は現実問題にも繋がるリアリティーがあります。
フレッシュ&ベテランなキャスティング!!
主人公の亮太役を演じるのは、『走れ!T校バスケット部』『今日も嫌がらせ弁当』の佐藤寛太。リアルな等身大の主人公をナヨナヨと演じています。ヒロインの彩役は連続テレビ小説「まんぷく」の藤本泉。熱血漢の天才肌な獣医師をバランス良く演じています。その他、動物の事で頭いっぱいな、とにかくウザい園長役に武田鉄矢。渡辺美佐子、浅田美代子らベテラン陣が脇を固めます。
メガホンをとるのは、『恋のしずく』『カラアゲ★USA』の瀬木直貴 監督。本作製作の為、撮影の8ヶ月前から、舞台の大牟田市で一軒家を借りて住み込み。作中に登場する風景を厳選していったとの事。その甲斐あって、劇中では印象的なロケ地が続々登場。地域密着型の映画になっています。映画『いのちスケッチ』は、11月15日より全国公開となります。
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Fujisan.co.jpより
映画『いのちスケッチ』
出演:佐藤寛太、藤本泉、芹澤興人、須藤蓮、林田麻里、前野朋哉、塩野瑛久、大原梓、
今田美桜(友情出演)、風間トオル、高杢禎彦、浅田美代子、渡辺美佐子/武田鉄矢
監督:瀬木直貴
脚本:作道雄
音楽:高山英丈
主題歌:Insheart「瞳の中のあなた」
配給:ブロードメディア・スタジオ
Ⓒ2019「いのちスケッチ」製作委員会