新潟県燕三条市に、この秋からユニークなタクシーが誕生した。その名も『燕背脂ラーメンタクシー』。三条市の中越タクシーが企画したもので、背脂ラーメンに詳しい運転手4人が担当し、60店の中からお客さんにおすすめのお店へ連れて行ってくれる。
日本にはいくつものラーメン地域があるが、燕三条市地域は“背脂ラーメン”が有名。濃口醤油に煮干しの出汁が効いた豚骨スープを加え、大量の背脂をかけるのが特徴。今後、全国的に人気になるかもしれない。
また、2018年1月から「さっぽろラーメンタクシー」もスタートを予定しているそうだ。10月に200人ほどのドライバーを募集して、お店のラーメンを試食、レポートを提出するなど試験をクリアすると、認定ステッカーが与えられるといった流れとのこと。
このような地域活性化を狙った“企画モノタクシー”は全国に沢山あるので紹介してみたい。特にラーメンタクシーは多く、ガイド本やネットでもあまり出回っていない隠れ店を知っている運転手さんもいっぱいいるので、旅行客は以外な名店に巡り合うケースも多いとか。
『和歌山ラーメンタクシー』
和歌山市観光協会が取り組んでいて、いくつものタクシー会社が協賛している。ラーメンタクシードライバーとしての試験を受け、合格した方がハンドルを握っているのでオススメに間違いはない。
その中で特に精通した黒帯認定ドライバーも誕生し、乗車できたらラッキーとか。一杯だと量が多くてはしごが難しいというお客さんの声に応え、「半玉ラーメン」を提供してくれるお店を巡るツアーもあって好評。
『ラーメンタクシー』大庭タクシー(福岡)
福岡といえば博多ラーメン。2時間で4店ほどのおすすめラーメン店へ連れて行ってくれる。
ラーメンだけではない
『信州そばタクシー』(長野県)
長野県は広い。戸隠そば、すんきそば、など種類もいろいろあるが、長野を18の地区に分け、それぞれ違うそば店巡りが楽しめる。
『さぬきうどんタクシー』香川県
多くのタクシー会社が協賛しているので利用しやすい。香川県にはうどん店が800以上あるとされ、しかも民家や農地、山奥など知る人ぞ知る名店が多く、しかも早朝開店、深夜開店、数十食で終了、急に定休日など、マイ・タイム(笑)を持つお店も少なくない。そんな香川で重宝されるのが、うどんタクシーだ。
他にも、こんな変わったサービスのタクシーが・・・
『タートル(ゆっくり)タクシー』三和交通(東京)
タクシーは、距離と時間で料金が加算されるので目的地まで速く着くに越したことはない。しかし、逆にスピードが速いと怖いという高齢者、町並みをゆっくり眺めたいという観光客からの声が聞かれた。そこで数年前に登場したのが、ゆっくり走るタクシー。車内に設置された「ゆっくりボタン」を押すと、運転手さんがいつもよりもゆっくりと揺れないように安全運転をしてくれる。
『15の“タノシー”タクシー』近畿タクシー(神戸)
タクシーに新しいエンターテインメントをプラスさせるとして、神戸をめぐるオリジナルコースを15パターン作っている。「スイーツタノシー」「ブレッドタノシー」「神戸ビーフタノシー」「夜景タノシー」「銀幕タノシー」(神戸で撮影された映画ロケ地を巡る)「ジャズタノシー」(ロンドンタクシーで夜景とジャズの名店へ)など、季節によって新コースが加わることもあるそうだ。
旅行先で、わからないことがあればタクシー運転手さんに尋ねるのは鉄則だ。紹介した専門タクシーを利用する時は一度問い合わせていろいろ聞くと確実。ちなみに、タクシー1台を数時間貸し切ることになるので料金は結構するものもある。一人より数人で利用するのが賢いみたい。