今年の夏は、曇り空が続いたり台風がやってきたりと、つかみどころのない空模様ですね。とはいえ、夏は夏。家でごろごろ過ごすよりは外に出かける機会も多かったことでしょう。このコラムが掲載される頃は、きっと夏バテも出はじめているのでは…!?
そこで今回は、夏バテに負けない筆跡を伝授。へたり気味の心と体を文字で景気づけて、実りの秋へ弾みをつけてください!
この「子」の字の書き方で注目ポイントは2つ。文字の書き出し部分(以下 起筆)に大きく強いひねりが加えられていること。それと文字の書き終わり(以下 収筆)の下のはねが大きく鋭く上にはねていることです。
まず、起筆のひねりについては、実は本来あまり人にオススメしません。ひねりグセのある人は自分の主義主張がはっきりしている半面、意地っぱりで我が強く譲らない側面もあるからです。ただし、文字の書きはじめに力を入れるひねりは、すべての行動において「ここからはじめる」という意思がはっきりしていることから、夏バテで頭がボォ~っとしていて緩みがちな思考と行動をしゃきっと目覚めさせる効果が見込めます。ひねりは強すぎない程度に加え、背筋をピシッと伸ばすことからはじめるのが、夏バテに負けないコツのひとつです。
もうひとつの収筆のはね…このはねを、私は「こんちくしょう度」と言っています(笑)強いはねは、粘り強さ・負けん気の強さ・責任感の強さ・根性の強さ・ピンチにメゲない心の強さなど、さまざまな「強さ」の象徴でもあります。はねの前で一度ペン先を止め、そこで力を溜めてから逆方向に鋭く一気に押し返す書き方に、心のバネの強さがあらわれています。
逆にはねが弱いと、押し返すよりも適当に流したり、避けたり逃げたりする、あるいは打たれ弱い面があります。細かいことにこだわらないのでストレスは溜まりにくい利点もありますが、裏を返せばストレスから逃げ腰になっているともいえ、厳しい状況を打破できない心の弱さを常に抱えたままになります。
「夏バテ気味かも」と感じられたら、まず文字の起筆にひねりを入れて「よし、ここから!」と威勢よくスタートし、収筆に大きなはねを作って「こんちくしょう!負けるもんか!!」と気持ちにハッパをかけることで、バテかけた心と体を、文字から元気にしていきましょう!
芳田マサヒロ
筆跡診断士として、多くのメディアで活躍中。
著書「なりたい自分になる!筆跡の魔法」(飛鳥新社)絶賛発売中
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