
第二次世界大戦後、食の欧米化が進んだと言われる日本ですが、ここ最近では時間に対する考え方も欧米化が進んでいるようです。
「時間を金で買う」という行為の典型例としてよく挙げられるのがファストパスと言われる“お金を払うことで待ち時間を減らし、サービスを優先的に享受できる”システムです。
テーマパークなどで広く普及しているシステムですが、昨今では飲食店にも普及し始めています。

飲食店向けに“待たずに入店できる有料優先案内サービス”「TableCheck FastPass(テーブルチェック ファストパス)」を提供しているのが、株式会社TableCheck(株式会社テーブルチェック)です。
TableCheck FastPassを「待ち時間の最適化」という新たな価値を提供するサービスとして位置づけているという同社の広報担当者に話を聞きました。

来店客にとっては「待ち時間を気にせず予定を組める」「行きたい日/時間を確実に押さえられる」といったメリットがあり、飲食店にとっては「新たな収益源」「事前決済で無断キャンセル時も手数料確保」といったメリットがあるTableCheck FastPassですが、「直近1か月の導入店舗数は前月比で13.7%増となり、順調に拡大しています」と業績のほうは好調なようです。
利用者の客層は、「訪日外国人/在日外国人が2割ほど、リピーター/常連が1割、残りは新規のお客様」だといいます。
導入店舗からは「収益・オペレーションの改善、顧客ロイヤルティの向上、データ活用による価格戦略の高度化、といった声が多く寄せられている」とのこと。
具体的には「本来取りこぼしていた需要まで売上に転換できた」「行列が短くなった結果、テーブル回転が早まり同じ席数でも提供回数が増え、客単価と提供回数のダブルで収益が伸びた」「待機に使っていた数時間が数分になった」といった声があるということです。
一方で「手数料を払った人だけが優遇されるのは不公平ではないか」という声も。しかし、このような意見は実際の利用者よりも「まだサービスを体験していない層から寄せられるケースが多い」といいます。同社では、通常の予約枠も従来どおり利用できるよう維持したうえで、TableCheck FastPassを「利用者が必要に応じて選べる追加の選択肢として提示している」としています。
同社の広報担当者は、TableCheck FastPassの仕組みを高速道路に例え「急いでいる人は料金を払って高速道路を使い、急がない人は一般道を無料で走る。高速道路そのものに“不公平だ”と文句を言う人がほとんどいないのと同じで、TableCheck FastPassも“必要な人だけが料金を支払うオプション”に過ぎない。こうした選択肢を提示することで公平性を担保している」と話してくれました。
サービスや時間といった「形のないもの」に対価を払うことに馴染みがないと言われてきた日本で、飲食店向けのファストパスが根付いていくのかが注目されます。
行列スキップ「ファストパス」飲食店で拡大!食材費や人件費の補填や、ドタキャン対策にも【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG(YouTube)
https://youtu.be/rjJ2RLMnyGU
※画像提供:株式会社TableCheck
(執筆者: 6PAC)