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映画『見える子ちゃん』中村義洋監督インタビュー「まさか学園モノを自分がやるとは思わなかった」驚きの“オチ”についても聞いてみた


泉朝樹のホラーコメディ漫画『見える子ちゃん』が実写映画化。中村義洋監督が手掛け、霊が見える女子高生・みこの物語が展開されます。みこは突然見え始めたヤバい霊を「見えていないフリ」でやり過ごす術を選ぶが、周りの友人が影響を受けてしまいます。映画では心霊の描写が独特で、設定を活かした実写化提案として霊の感情を抑えたり、登場人物のリアリティを追求。主演の原菜乃華が霊の存在を無視しつつも不安を表現する演技が光ります。学園生活やティーンエイジャーの心情を通じて観客を惹きつける作品に仕上がっています。

カドコミ、ニコニコ漫画、pixivコミックでの累計閲覧数9,000万回、 国内発行部数330万部を突破した泉朝樹によるホラーコメディ漫画「見える子ちゃん」を中村義洋監督が実写映画化。映画『見える子ちゃん』が大ヒット上映中です。

【あらすじ】
ある日突然、霊が”見える”ようになった女子高生・みこ。ヤバすぎる霊たちに囲まれたみこが選んだ生き残り術は、まさかの「見えていないフリ」。 親友のハナに霊が憑いても、同級生のユリアに見えることがバレそうになっても、ただひたすらに全力スルー。しかし、産休に入る担任の代理として遠野先生が赴任してくる。何やら異様な霊が憑いている遠野の影響か、ハナの様子に異変が生じついには倒れてしまう。ハナを助けるため、みこはユリアや昭生と共に遠野の謎を追ううちに、驚くべき事実を知ることに。 果たして、親友を救い、文化祭を無事に迎えることはできるのか──。 “見えていないフリ”を貫いてきたみこが、ついに「無視できない」恐怖に立ち向かう!

これまで数々の心霊ドキュメンタリーを制作し、本作の監督を務めた中村義洋さんにお話を伺いました。

※記事後半に、ネタバレに関する記載があります。ネタバレパートに入る前にもお知らせいたしますが、気になる方はお気をつけください※

――本作とても楽しく拝見しました!原作「見える子ちゃん」をお読みになった感想や、それを受けてどの様に実写化しようと思ったかを教えてください。

まず、設定が素晴らしいなと思いました。「何かがずっと“見えている”のだけど、とりあえず無視する」というストーリーはいつか描きたいなと思っていて、(「見える子ちゃん」の)原作を読んだらそういう内容だったので面白いなと。
それで、原作では「化け物」が見えるとなっていますが、それを映画化するならば「心霊」にしたいと瞬時に思って。化け物の描き方はなかなか実写では難しいですし、心霊に代えても面白いはずだから原作者の泉朝樹先生にそれでも良いかお聞きして、快諾してくださったのでありがたく進めさせていただきました。

――実際に霊が見えた時の対応として、無視するのは有用なのですかね…?

通説だとそうですよね。反応しないこと。その一方で、劇中でもそういうシーンがありますけれど「怒鳴りつけた方が」良いという説を言う人もいます。これを言っているのって、おぎやはぎの小木さんだったんじゃないかな?。みこが劇中で観たYouTubeで、シークエンスはやともさんと、松嶋初音さんが「無視した方が良い」と言っているのですが、映画だからと言って、嘘をついてもらうのは心苦しいので、はやともさんと初音さんが普段から提唱している説を話してもらっています。

――霊の描き方が独特で素敵でした。

あくまで、そこに“いるだけ”だけれど、こちらが気付くと見てくるというね。霊の描き方の一つとして、睨んでくる、とか怒ってくるというものもあると思うのですが、怒っている=生きているように感じてしまう、とも思っていて。生きているから感情があるのであって、霊に感情が見えちゃったら途端に怖くなくなる様な気がしていて。
あと、幼稚園児のツトムくんの霊が出てきますが、あの世代の子供ってジッと止まることって難しいんですよね。止まっている様に見せかけて、ちょっと揺れていたりするから、揺れている=生きているということで、ピタッと止めるためにCGを使ったりしています。

霊の見せ方に関しては、色分けしようと思ったこともあったんです。みこが見える霊の色によって、性質が変わるという。オレンジは良いけれど、赤は怨念が強いとか。でもネタバレになってしまう部分もあるのでやめました。

――みこ役の原菜乃華さんが素晴らしかったです。

霊をただ無視するのではなくて、あえて“無視しているのだ”という状況を自然に表現出来る方でした。原さんは引き出しが多いので、もっと「無視していますよ」という説明の芝居も出来るんですよ。でも、実際の映画ではお客さんには霊が視覚的に見えているので、そこまでしなくても大丈夫だよという話をして。
みこにとっては霊自体も怖いんだけど、周りに不審がられることの方が怖いんですよね。ユリア(演:なえなの)が霊が見えた時のリアクションで周りに「あの子、かまてっちゃんだから」と言われてしまう。それを目の前で見ているから、「バレたら、自分もああ言われてしまう」ということの方が怖い。そのあたりの感情の表現のさじ加減が上手でしたし、あえて下手に叫ぶシーンなどもあるので、彼女の表現力に助けられていました。

――そういったティーンの感情の機微が観ていて辛い時もあり、すごくリアルだなと感じていたのですが、どの様に演出していったのでしょうか。

まさか学園モノを自分がやるとは思わなかったけれど、この原作を実写化するということは、学園描写はマストなので、色々な取材をしました。自分の高校時代から随分時間が経っていますし、カルチャーも全然違うので、自分の経験を入れるのはやめました。みことハナ(演:久間田琳加)以外にも、クラスメイト役の子たちにはそれぞれ異なるキャラクターと設定をつけていて。学園描写は彼女たちにだいぶ頼らせてもらいました。「ダンスはするのか」「ダンスをするならどういう曲で、どういう場所でダンスしたいのか」とか。つい最近まで高校生だった俳優もいたので、実体験とか流行っているものなどを細かくヒアリング出来て助かりました。

――今、若者世代にホラーコンテンツが人気であることについてはどう感じられていますか?監督も最近のホラーコンテンツをご覧になるのでしょうか。

今、ホラーコンテンツに惹かれている人たちは“考察”が好きなのでは無いかと思いますね。雨穴さんの「変な家」は、映画は観ていないけど、楽しく観させてもらっていて。「変な絵」とかその他の動画も全部観ました。やっぱり“分からない”ことが怖いので、雨穴さんの動画の終わり方は上手だなと思いますね。
ホラー映画はずっと観ているのですが、読書傾向としてはホラーはあまり読みません。でも、他のジャンルの作品を撮っていて、ホラーに自分の中のレバーを戻す必要がある時に、実話怪談系を読みまくることが多いです。

ここから下は、ネタバレも含みます。まだ映画をご覧になっていない方はお気をつけください!

――学園生活、ティーンの描写について。

ダンスとか、文化祭でコスプレをしたいとか、僕の高校時代には考えられなかったことばかりで。最初の脚本には僕の高校時代の経験なども入れていましたが、そこは全部取っ払って、僕の思い出は山下幸輝君演じる昭生に全部託しました(笑)。

――昭生は監督よりも年上な気がしましたが同世代なのですね。昭生の描写には驚かされました!

同世代どころか私と同い年という設定です(笑)。昭生のキャラクターを作るにおいて、僕がやってほしいなと思っていたことは「それはちょっと恥ずかしいですよ」と言われても仕方ないことだったので心配だったんですが、山下君がやってくれたので助かりました。芝居の質がみんなと全然違って、違和感ありまくるじゃないですか。やりすぎの手前ぐらいなんですよね。もっとやりすぎちゃったらバレると思うので。

――ギリギリのラインというか、変わっているキャラクターだなあと思いつつ、そういう子も実際にいるので気付かなかったです。

そうそう。「なんか変な子だな」という違和感は絶対に必要で、でも「こういう子もいるよな」と思えるギリギリのライン。ちなみに、昭生が学校の敷地内から出られないシーンは『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)にアイデアをもらっています。

――滝藤賢一さん演じるみこのお父さんの描き方もすごく好きなのですが、難しかったのではないかと思います。

お父さんの描き方はだいぶ悩みました。ここまでハッキリ見えるってルール違反じゃないかなと脚本を書きながらも悩んでいて。でも、松嶋初音さんのYouTubeを見ていた時に「霊の見え方はチューニングだ」と言っていて。自分と親和性が高いとハッキリと見えて、チューニングがズレるとボケてくる。そういうことが実際にあるのだったら、こう描いても良いだろうと“見え方”を何パターンか用意することにしました。

(C)2025「見える子ちゃん」製作委員会

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