
エンターテインメント史を塗り替える超大作を次々と世に送り出し、世界中に衝撃と興奮を届けてきたマーベル・スタジオ。その注目の最新作にして、マーベル・スタジオの歴史を大きく動かすのではと噂される新チームの活躍を描いた『サンダーボルツ*』が大ヒット上映中です。
過去に悪事を犯しながらも、アベンジャーズに代わって世界に襲いかかる危機に立ち向かうことになった〈超クセ強な無法者〉チーム〈サンダーボルツ*〉。人類消滅の危機のなか、“最強”でも、“ヒーロー”でもない奴らが“やるしかない!”と集結し、アベンジャーズ全員を合わせた以上のパワーを持つ史上最強の敵・セントリーに立ち向かっていく様をドラマチックに描き出す―。
本作で、フローレンス・ピュー演じるエレーナの日本版声優を担当した田村睦心さんに、キャラクターの魅力やお芝居についてお話を伺いました!

――本作、大変楽しく拝見させていただきました!『サンダーボルツ*』という映画への第一印象はいかがでしたか?
パッと見、すごく派手なキャラクターっていないですけれど、そんな皆がどんな活躍をするのかな?って気になりました。エレーナはこれまでもとても可愛くて魅力的な人でしたけど、ナターシャについていくというか妹的な要素が多かったと思います。そんなエレーナがセンターで動いていくということで、想像が出来なくてワクワクしました。
――この個性的でバラバラなメンツをエレーナがどうまとめていくのかな?という所が観る前から楽しみでした。
ポスターからして面白かったですよね。そして、リーダーではないんですよね。そこも良いなあと思っていて。エレーナは人一倍優しさがあって、バランサーでもあり、センターでまとめていくのだなあと。
――作品をご覧になっていかがでしたか?
「仲間っていいな」ということと、「暴力ってすごく悲しいことなんだな」ということを感じました。『サンダーボルツ*』のメンバーもこれまで暴力で解決してきたことが多いと思うし、アクション映画として切っては切れないものだとは思うのですが、本作でのボブの強さを見ていると、暴力の悲しさを感じたんですよね。その瞬間だけは、強くて勝っている感じがするけれど、ボブ自身も黒く染まっていってしまって…。
ボブを通じて、皆のトラウマも出てくるじゃないですか。『サンダーボルツ*』の皆は強いけれど、傷ついてきた歴史もあって。何気ない仲間たちとのやり取りでちょっと癒されたりとか、最終的には優しさで救うという所が意外で素敵だなと思いました。人によって傷つけられたものを、人によって救っていく物語だなと。

――本当にそうですよね。エレーナの過去は観ていて本当に辛くなりました…。
辛いですよね…ビックリしました。自分が出来たことによって他の人が罰せられるという状況や、友達を犠牲にしないといけないシーンもあって、あれだけ辛い出来事を経験してきて、よくこんなに優しい子に育ったなと。それには、アレクセイの存在も結構影響しているのかな?とも思っていて。アレクセイは“クズみ”が強いお父さんですけれど(笑)、優しさはすごく持っている人で。あれが完璧主義なお父さんだったら、エレーナはああいう子にならなかっただろうなと。
――フローレンス・ピューさんのお芝居が繊細で、深みを与えていますよね。
本当に表情の演技が素晴らしくて。ピューさんのお芝居があるので、私は日本語を添えるだけという感じでした。めちゃめちゃ(アフレコ)やりやすかったです。『ブラック・ウィドウ』(2021)から数年経って、私のお芝居のレベルも多少上がったと思いたい所ではああるのですが、ピューさんの演技力があるから勝手に底上げされた感覚がありました。
お芝居が細やかなんですよね。セリフを喋る前もそうですし、喋っている時も、喋り終わった後も、「こう思っていそうだな」と、感情が手に取るようにわ分かる感じが素晴らしい。豊かな表情があるから、セリフ一つ一つに説得力があるのだと思います。
――田村さんのお声も本当にエレーナにピッタリです!エレーナとの付き合いが長くなってきましたが、印象が変化していった部分はありますか?
最初ははすっぱなお姉ちゃんみたいな印象で。ナターシャのやんちゃな妹がやってきたという感じで。戦いの中にもお茶目なシーンも多くて。それはエレーナという役柄がそうなのか、ピューさん自身の魅力がそうなのか分からないですが、シニカルな面白さを持っている人ですよね。そこから数年経って、『サンダーボルツ*』になってからは、お茶目ではあるのですが、ちょっとその要素が減ったかな?とも思います。ツッコんでくれる人がいないからかな? このチームってボケばっかりですよね(笑)。
――エレーナしかツッコミがいないですよね(笑)。ゴーストは流す感じですし。田村さんが気になったキャラクターはいますか?
USエージェント、面白いですよね。直情的というか、何を言っても、わーって返してくるから、エレーナとやりとりしていてすごく楽しそうに見えるなって。USエージェントのトラウマで、子育てのシーンが出てきますけれど、SNSなどでよく流れてくる子育てマンガの愚痴の様な感じですごくリアルで。「そんなんじゃ家族悲しいよ、子供かわいそうだよ!」って。ここからUSエージェントがどうやって変化していくか楽しみですね。
あと、シールドがタコスになってしまったじゃないですか!あれが元に戻ってなかったのが可笑しかったです(笑)。
――コスプレする方も「タコスにしなきゃ!」って焦りそうですよね(笑)。
タコスver.と直ったものと、2種類持っていただきたいです(笑)。

――このチームは本当、伸びしろしかないというというか、今後が本当に楽しみですよね!『アベンジャーズ:ドゥームズデイ(原題)』のティザー動画にもフローレンス・ピューさんのお名前がありますし。
マーベル作品って、いつも良い意味で想像を超えてきてくれるので、どのくらい活躍するのか、下手したら退場してしまうのか、予想がつかなくて怖くて面白いですよね。フローレンス・ピューさんなので、まだまだ出てくれるのではないかと期待しています。でもよく考えるとエレーナってパワーがあるわけではなくて、ただ強い人なので、すごいんですよね。
――声優さんも体力勝負だと思いますが、田村さんご自身もトレーニングしたりするのですか?
筋トレがめっちゃ苦手で、パーソナルトレーニングに通っていたのですが、引っ越したタイミングで一度やめてしまったんですね。でも、やっぱりトレーニング大事だなと思っています。「うわー!!」って大声を出す時などに、「あ、筋肉緩んでるな」って感じたりして。キャラクターが叫ぶ時にはこちらにも筋肉が必要ですから、またはじめたいなと思っています。
――これからも田村さんのエレーナ楽しみにしています!
もちろん字幕には字幕の良さがあるのですが、吹き替えだと映像の細かい部分までしっかり観れるから良いなと思いました。私も試写で日本語吹替版を拝見した時に、エレーナがモルモットを抱いているシーンとか、細かい所までしっかり見れたので。声優陣の皆さん、どなたもピッタリはまっていますので、ぜひ日本語吹替版も楽しんでいただきたいです!
――今日は素敵なお話をありがとうございました!
『サンダーボルツ*』
大ヒット公開中
クレジット表記:(c) 2025 MARVEL